俳優の石原さとみ(37)が5月1日、大阪市内で行われた主演映画『ミッシング』(5月17日公開)プレミア試写会に、共演の青木崇高(44)、吉田恵輔監督(48)とともに登壇した。

 幼女の失踪事件をきっかけに、苦しむ母や家族、マスコミの報道やSNSの誹謗中傷を描くストーリー。
石原と青木は幼女の両親役で、世間と現実のギャップに心をなくしていく妻・沙織里と、すれ違う夫・豊を演じた。

 約3年ぶりに来阪したという石原は、同作について「(吉田監督に)7年前に直談判させていただいて、その3年後に脚本をいただいて、飛び上がった」と特別な始まりだったと回顧。さらに「1年前に妊娠・出産を経て、本当に母親になった状態で母親役を演じさせていただいて、本当に苦しかったんですけど、涙が出るくらい幸せな時間でした」と吐露した。

 石原から「この世界に行きたい」と出演を熱望された吉田監督は、その演技について「野性味あふれる感じ」「取り憑かれている感じ」と証言し、それを生かすため「基礎のところにエサを置くイメージ」で演出したと説明。そして、にこやかな石原を見やりながら、観客に対して「目に焼き付けとかないと、(上映が始まって)次映る人は違う人だからね」と呼びかけた。

 「相当疲れたんじゃ?」と向けられた石原は「疲れました…(笑)」と振り返りながら、「こういう作品がやりかった。
本当に学びが多くて宝物ですね」としみじみ。

 それだけに、公開を目前にして鬼気迫るスピーチ。石原は「個人的なことを言いますと、映画の宣伝ってそんなに多くなくていいと思ってたんです。けれど、できる限りやりたい、時間がある限り、できる限りやらせていただきたいとこの数ヶ月走ってきました」と万感の思いとともに、「大げさでなく本当に命がけで取り組んだ作品です。すごく挑戦です」「感動っていう言葉じゃなくて、本当に苦しいですけど、温かくて優しい作品です。皆さん受け取っていただけたら、それを誰かに届けてほしい」と語った。