俳優・寺尾聰と松坂桃李が親子役で共演する映画『父と僕の終わらない歌』(5月23日公開)より、心温まる“親子デュエット”シーンの本編映像が解禁された。

 本作は、アルツハイマーを患う父親がドライブ中に美しい歌声を披露し、その様子を息子がSNSに投稿したことをきっかけに、80歳でCDデビューを果たしたイギリスのテッド・マクダーモット氏の実話をもとにした物語。

 解禁された映像は、原案となったSNS投稿を再現した場面。寺尾演じる父・哲太と、松坂演じる息子・雄太が名曲「VOLARE」を高らかに歌い上げる。

 映像は、車内での親子の軽快なやりとりから始まる。雄太の「もし父さんの歌を待ってる人がいるなら、どうする?」という問いに、哲太は「答えは一つに決まってんだろ、なんてったって俺は…」と返し、雄太が「“横須賀のスター”だから!」と応じると、哲太は笑顔で「Exactly!(その通り!)」と答える。

 カセットテープから流れる「VOLARE」に合わせて歌い始めた哲太に促され、やがて雄太も一緒に歌い出す。横須賀の美しい風景をバックに、親子が歌声を重ねる姿は、音楽がふたりをつなぐ絆を象徴する感動的なシーンとなっている。

 松坂はこの撮影について「こんな贅沢な事は無いです。しかも、あんな車の中の密室の空間で、寺尾さんの歌声を横で聴けるなんてなかなかないですから」とコメント。

 一方、寺尾も「松坂くんが歌詞を全部覚えてきてくれてうれしかった。一緒に歌っているときは本当の親子のような感覚でした」と、現場での喜びを振り返った。

 また、松坂は「原案でも、サイモンさん(息子)は子どもの頃からお父さんの歌を聴いて育ったとあり、自然と一緒に歌える。その部分を大切に演じました」と語り、作品へのリスペクトをにじませた。

 劇中で哲太は洋楽の名曲5曲――「VOLARE」「SMILE」「WHAT NOW MY LOVE」「LOVE ME TENDER」「BEYOND THE SEA」を披露。その選曲は、寺尾と制作陣の綿密な話し合いで決定されたもので、いずれも寺尾自身がアレンジし、長年の音楽仲間と共に演奏している。

 映画公開を目前に控えた5月18日は寺尾聰の78歳の誕生日。俳優・歌手として歩んできたその人生が、本作で演じる哲太の生き様と重なり、クライマックスでは“人生のプレイリスト”とも呼べる珠玉のシーンが展開される。16年ぶりの主演作で、寺尾が歌い、演じ、全身で語る感動の物語に注目が集まる。

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