映画『孤狼の血』(2018年)主演の役所広司、白石和彌監督が18日、東京・丸の内TOEIで舞台あいさつを行った。

 1960年9月20日に開業した同館は、東映会館の再開発に伴い、今年7月27日をもって閉館する。
これを前に「さよなら 丸の内TOEI」プロジェクトと題して傑作特集上映を実施し、この日は『孤狼の血』が披露された。

 割れんばかりの拍手で迎えられ、役所は「8年経ってもこんなにたくさんのお客さんに見ていただいて映画も喜んでいると思います」と語り、白石監督は「おそらくきょうが丸の内TOEIで僕が舞台あいさつさせていただく最後の日。ちょっと寂しい気持ちもあります」と感慨深げ。

 役所は、自身が演じた大上章吾の役作りに触れ「舞い降りてきた天使、のつもりで演じようと思っていましたね。そういう風に見えるといいなあと思って」と意外な答え。ずっとトレーニングしていたという呉弁については「まだ抜けない。うちの事務所に呉出身の俳優がいて、彼と話す時には呉弁が出てしまう」と明かした。

 豚小屋のシーンの話題になると、役所が「豚の糞を喰わされるところですよね。小道具さんが『チョコレート味にしますか?メープルシロップ味にしますか?』と聞いてくれて、『メープルシロップ味にしてください』とお願いしました」と秘話を語り、会場を笑いに。また、共演した松坂桃李について「あの好青年が、(続編の)『LEVEL2』ではあんな風になっちゃって。(『孤狼の血』前半の松坂演じる日岡は)本当に好青年で、松坂さんにぴったり(の役)ですよね」と語った。

 すでに続編の製作が決定しており、白石監督は「現状そんなに進んでないんですけど。
東映さんの作品では、(『仁義なき戦い』シリーズのように)一度死んだ方も続編で戻ってくるというお家芸もありますし、役所さんにヤクザの大物で出てもらうという野望もあります」とチラリ。役所は「びっくりですね」と劇中のエリフを思わせる返答で笑わせていた。
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