声明によると、スライさんは慢性閉塞性肺疾患などの持病との長い闘病の末、3人の子どもたちと親しい友人、そして広い家族に見守られながら、安らかに息を引き取ったという。「その不在を深く悲しみながらも、彼の並外れた音楽的遺産が、これからも世代を超えて響き渡り、人々にインスピレーションを与え続けることに慰めを見出しています」とつづられている。
また、スライさんの人生を描いた脚本が完成していたことも明かされた。2024年に回想録が刊行されており、それに続く作品として、今後公開される予定だという。
最後に、家族は「スライの人生と音楽に心を動かされたすべての方々に、平和と調和が訪れることを願っています」と結んだ。
スライ&ザ・ファミリー・ストーンは1960年代後半から1970年代前半、激動期のアメリカで、人種や音楽ジャンルの壁を越えて、社会に対するメッセージ性の高い作品を数多く発表した。中心メンバーのスライ・ストーンさん(本名:シルヴェスター・スチュワートさん)は1950年代から活動を始め、1966年にスライ&ザ・ファミリー・ストーンを結成。人種/男女混合のファンクバンドという当時としては異色のスタイルで、ベトナム戦争や黒人の人権問題、家族の荒廃などアメリカ社会のシリアスなテーマに挑み続けた。
バンドは「ダンス・トゥ・ザ・ミュージック」「ハイヤー」「サンキュー」「ファミリー・アフェアー」などのヒット曲を生み出した。ドラムマシンの導入やロックとファンクを融合させた実験的なサウンドは、のちの音楽シーンに多大な影響を与え、レッド・ホット・チリ・ペッパーズをはじめとする多くのアーティストにカバーされている。
2006年のグラミー賞では、金髪のモヒカン姿で登場。