会見には、新日本プロレスリングの棚橋弘至代表取締役社長、ブシロードの木谷高明代表取締役も参加。昨年9月に引退の意向を表明し、8日に終了した全日本実業団体対抗大会が柔道で現役の最後の試合に。10日には引退会見を行い「悔いは全くない」と話していた。
23日付けで契約を結んだ。日本人のオリンピック金メダリストのプロレス転向は史上初となる。デビュー戦は来年1月4日の東京ドーム大会『WRESTLE KINGDOM』を予定している。棚橋によるとウルフ側からのアプローチがあったという。ウルフは「この度、新日本プロレスと契約をさせていただくことになりましたウルフ・アロンです。先日、柔道の引退会見を終えたばかりで、また新たな舞台にチャレンジできることに喜びを感じています。先ほど棚橋社長からお話があった通り、私の方から新日本プロレスに入りたいとお話をさせていただきました。大学生の頃、録画した『ワールドプロレスリング』を見るのが毎週日曜日の楽しみで、選手の皆さんが裸一貫で戦ってるカッコよさ、また柔道とは違った見せ方に魅力を感じ、いつか柔道で思い残すこと、やり残すことがなくなったらプロレスやりたいと思っていました」と明かす。
柔道では東京オリンピックで金メダルを獲得。
会見で心に残っている試合やレスラーについての質問が。ウルフは「横に棚橋選手がいる中、大変申し上げにくいんですが、2016年6月の大阪での内藤(哲也)選手とオカダ・カズチカ選手の戦いが」と気まずそうに打ち明け、「大変、申し訳ないです」と平身低頭。棚橋も苦笑いだった。「2人の体だけじゃなく、気持ちもすべてぶつかっている試合を見て心が動かされました。その時は柔道をやっていましたけど、柔道をやっていくモチベーションにもつながりました」と振り返っていた。
新日本プロレスの若手はヤングライオンとして、さまざまなこと行うのが通例。超大物のウルフの扱いについて棚橋は「新日本の道場を中心に練習していただきながら試合会場も少しずつ帯同してもらって、他の若手と一緒に大会全体の流れ、実際にプロレスの試合を見ることも勉強になりますので、そういった形にします。
会見後にも取材にも応じた。今は素足&畳からシューズ&マットに慣れ、「柔道もプロレスも受け身から」とイチから練習しているそう。柔道家らしいプロレス技についても「柔道技の種類が多いタイプじゃなかった。大内刈と内股ぐらいしかなかった。まずは、ちゃんとしたプロレスができるようになってから。それが1番大事。できるようになってから自分がやってきた柔道の技、動きを足すというような戦い方をしていきたい」と話した。
目標を問われると「『ワールドプロレスリング』を見ていた身としては、IWGPヘビー級を取りたいという気持ちはある」ときっぱり。高い頂も見据えていた。
■ウルフ・アロン略歴
1996年2月25日生まれ。東京都出身。