清原果耶主演の同作は、ABCテレビ・テレビ朝日系の日曜10時枠で2024年10月クールに放送。
社会人1年目の主人公(清原)が、日々の些細な出来事をきっかけに大学時代を振り返るストーリー。言語化できない悩みを抱える若者5人が、やがて「心の居場所」を見つける姿を、兵藤氏が緻密な会話劇と優しい世界で描写し、「向田邦子賞」を“史上最年少”20代で受賞する快挙となった。
贈賞式では、キャストたちが祝福。会場に駆けつけた和田虎之介役の望月歩は「素敵な脚本の中でキャスト、スタッフの皆さんと作品づくりに参加できたことが幸せでした」と振り返り、「作中に『わたしはふと、人生の日記を読み返したくなった――』というフレーズがあるのですが、本を読んでいる時に、その言葉のままの感覚がありました。(本当は)あるはずもない思い出を思い返しているような…『俺こんな顔してたっけ?』って写真を見返しているような、いきいきとした世界が広がっていて、その時間が幸せだったなと思いました」と感謝。そして「10年後、20年後にふと僕が思い出す時間のひとつはこの作品じゃないかなと思います。この場であいさつできていることが幸せです。改めておめでとうございます」と、兵藤氏は大きな花束を贈った。
主人公の恩村優希を演じた清原と、徳永広海を演じた佐野勇斗からはビデオメッセージが到着。清原は「お知らせを伺った時に、自分のことのようにうれしく思いました。
佐野は「脚本を読んでこの作品に出演することを決めました。現場でも『本当にいい脚本だよね』と話していました」と明かし、「僕の周りにも『マイダイアリー』のファンがたくさんいます。兵藤先生はこれからさらに有名になると思うので…また僕を使ってください(笑)」と会場を沸かせた。
兵藤氏は「受賞の発表の際、『この受賞は、私の本を信じて最後まで見届けてくださった視聴者の方や、役者の方、スタッフの方のためにあると申し上げましたが、ただひとつ自分に返ってくるものがあるとすれば、作品とのつながりです。『阿修羅のごとく』という小説を読んだ時に、「これほどの孤高の脚本家さんが日本にいたんだなと思った向田邦子さんのお名前の入った賞をいただけたことも繫がりですし。以前に(坂元裕二氏の)弟子だとは思っていないと申し上げましたが、ゼミで過ごした2年間はかけがえのないものだったので、坂元さんの前でスピーチができていることは素晴らしいことだなとも思います。また、自分が仕事を通じて、またお芝居をもっと見たいと思えた役者さんに出会えたこともつながりだと思います。そうやって自分が脚本を書いている中でできあがったつながりに、ちょっとした幸せを感じました」とスピーチ。そして「これが最後かもしれないと思って書いていますが、ひたすらストイックに、丁寧に誠実に作品に向き合っていくことが自分にできることだと思うので、これからも続けていきたいですし、これから生まれてくる子どもたちや今を生きる人たちに向けて、自分が何をできるのか考えたいと思います」と言葉をつむいだ。
選考委員の岡田惠和氏は「同業者が同業者を選ぶのは大変なことですが、真摯に選考させていただきました」とコメント。『マイダイアリー』が満場一致で選ばれたことに言及し、「(この作品について話している時が)最も話が弾んだように思います」と選考過程を伝え、「静かで、派手なドラマではないけれど、同業者の僕らがこのドラマで語ることがたくさんあるというのは素敵なことだと思います」とたたえた。
■『マイダイアリー』再放送・TVerアーカイブ配信情報
ABCテレビ・再放送(※関西ローカル)
第6話 6月26日(木)深夜2時35分~
第7話 7月2日(水)深夜2時50分~
第8話 7月3日(木)深夜2時35分~
第8話 7月4日(金)深夜1時34分~
※第1話~第5話は、再放送終了
TVerアーカイブ配信=名作ドラマ特集にて順次配信中