原作『ちはやふる』はシリーズ累計発行部数2900万部を超える大ヒット漫画。2016年、18年には広瀬すず主演で映画化され、シリーズ累計興収45億円を突破する大ヒットシリーズとなった。今作は、映画から10年後の世界を描くオリジナルストーリー。廃部の危機にある梅園高校・競技かるた部のめぐるが、顧問として赴任してきた大江奏(上白石萌音)と出会い、成長していく姿が描かれる。
全国大会出場を目指し、高校最強の瑞沢高校に挑んでいく。主人公・藍沢めぐる役を當真、めぐると共に成長していく、梅園高校・競技かるた部の部員・白野風希役を齋藤、与野草太役を山時、かつて千早や大江が作り上げた瑞沢高校・競技かるた部の部員・月浦凪役を原、折江懸心役を藤原が演じる。
■“ムードメーカー”の藤原、“ムードブレーカー”の山時
――学校関係なくにぎやかな現場だったと思いますが、特にムードメーカーだった方を教えてください。
(當真・山時・原が藤原に投票、齋藤・藤原が山時に投票)
原:本当に“ザ・ムードメーカー”でしたよね。(今は)すまし顔してますけど(笑)。なんか聞いたこともないようなゲームをするんですよ。存在しないカタカナの造語を作って遊ぶゲームみたいなのを発明されたりとか、おもしろい大喜利みたいなこと、ずっとしてましたよね。常に笑いを生み出す場にいたのは、藤原さんでした。
――例えばどんなカタカナを生み出してたんですか。
藤原:頭で考えるっていうよりかは、やっぱ心で表現していく作業に…。
原:お~(笑)
藤原:リズムで回ってきた瞬間に、「ンギャバルクス!」みたいな…こういう空気になってました。
當真:本当に適当なことばっかり言ってるんです。これルールが「笑っちゃいけない」みたいな。
藤原:笑っちゃいけない。本当に全員が、その架空のカタカナに誇りを持っている人たちが集まった世界首脳会談みたいなレベルの現場で…。
原:何を言ってるの?ずっと(笑)
――続きまして、山時さんを指していただいた方も理由を教えてください。
齋藤:梅園といるときはもうずっと、みんなが「山時聡真くん!」っていう感じだったんで。
山時:どういうこと?(笑)
齋藤:みんなでいるときも、さんちゃんを通して会話が生まれたり、中心にいて、僕の中では常に軸でいてくれました。だから僕はぶれることができたんです。
山時:(笑)。へえ~(うれしそうな表情)
――隣で當真さんがちょっと思うところがありそうですけど…。
當真:ムードメーカー…まあ、そうですね。
藤原:ムード“ブレイカー”だ。
當真:そっちだ!結構ギャグみたいなことを連発されるんですね、現場で。みんなはそれをスルーするっていう、一連の流れがあり、なんかそれをちょっと楽しんでたよね。
山時:そう。その立場を“おいしい”と思ってやってました。なんかみんなから冷たい目で見られるの(笑)
齋藤:それをもう3ヶ月間ずっと貫き通されてたので。
當真:もうそれが1つの空気になってたので、ムードメーカーなのかな?
山時:だから要は、つまんないけどおもしろかったよってことです。
齋藤:違う違う!
山時:(みんな)うんうんって言ってるから!
齋藤:ちゃんと、みんな心の底では思ってるよ。おもしろいって。だから安心して!
山時:ほんと?ありがとう。すごいフォローされる(笑)
■自他ともに認める”かるた最強”は藤原 “チームメイト”原も「本当に敵じゃなくてよかったです」
――続きまして、この中で最もかるたが強そうな人、強い人を「せーの」で教えてください。
(藤原含め全員が藤原に投票)
原:本当に敵じゃなくてよかったです。同じチームだから横に並んでたんですけど、かるたのシーンを撮ってると札が飛んでくるんですよ。競技中だとその札が当たると本当に痛くて。
藤原:すいませんでした。
原:大丈夫です!大丈夫です!(笑)。ほんとに1枚だけをとてつもない速さで払うっていう役柄だったので、隣とかにいると怖かったです。覇気みたいなのも感じますし。ちょっとでも顔を前に出したらすごい勢いの鋭利な札が飛んでくるので、そういう緊張感もありましたし、すごく練習されたんだろうなっていうのが伝わりました。楽屋とかでも常にやってらっしゃいましたよね。
山時:その通りなんですよね。速度がもう全然違うというか、1人だけダントツに速くて。でも潤もすごいライバル視して、ひたすら練習を頑張っていたので。僕的には最終的にはほんとに2人とも同じレベルになっていたなと思います。
――齋藤さんと藤原さんの2人でよく練習されていたともお伺いしました。
齋藤:カメラが回ってないときから、大祐くんはバシッて決めるので、「今のどうやったの?教えてください!」ってずっと聞いてました。目の前で、音が鳴ったの?っていうぐらいの素早さで取っていくので、それは本番、実際に払ってくださいっていうときも、速すぎて、そこの隙間に入るとかそんなレベルじゃないぐらい届かなくて、すばしっこくて、でも静かで、でもブレない。だから僕もワクワクして、本当に“かるたが強くなりたい”って思えました。
藤原:最終的に対峙していくというか、ライバル関係にあるのはずっとこの潤の演じる風希だったので、その風希の役のポジショニングとか、かるたのスタイルを1回先に確認させてもらって、いい意味で対局の位置にいられるような、お互い高め合っていけるような役どころにしたいなというふうに思っていました。役としてもそうだけど、1人の人間として、役者として、お互いずっとライバルな気持ちはあったよね。
齋藤:感謝しかないです。
藤原:こちらこそです。ありがとうございます。
齋藤:ありがとうございます。
■他を圧倒する當真の静かな闘志 齋藤は「目の前に立った瞬間に気持ちで“負けた”」
――では、かるたで戦いたくない人は?
(最多は當真に2票)
齋藤:目の前に立った瞬間に気持ちで“負けた”って思いました。最初に1回やったときも、序盤から1首も取れずに2連敗して。そこから何回もやったんですが、「絶対とるよ」っていうのが見えて、「これどうすればいいの?」みたいな。早いし、音の聞き分けもめちゃくちゃいいから、僕がこう取ろうとした逆をついてきたりとか、「ああ!こっちだった!」みたいなことがあったので、(かるたを)やるときは、めちゃくちゃ怖かったです。
當真:でも、この撮影の中であった一番最後の試合はボロ負けしまして、リベンジできずに終わりました。
齋藤:いやそれは、僕が空き時間があったので、事前に練習できて、覚える時間も僕の方があったので…でももう強くて。そして固い。“壁”が固い。そこに素直に挑んだら絶対負けるみたいな。
藤原:かるたで対峙したときの相手の“壁”ってあるよね。
齋藤:そうそうそうそうそうそうそう!その壁と、腕が出て、体が出てくる感じがめちゃくちゃ固くて、入り込めなかったです、僕は。
當真:もしかしたら、私が左利きってのが1つあるのかもしれない。利き手が私だけ唯一違うから。
齋藤:それもあるかもしれない。ずっと鏡の状態だったので。
――最後に、この『ちはやふる-めぐり-』が、どんな方に届いてほしいと感じていますか?視聴者へのメッセージをお願いします。
原:約8ヶ月前からみんなでこうして集まってかるた練習をして、すごくたくさん準備を重ねて挑んだ作品です。その『ちはやふる』にかける思い、キャスト陣の仲の良さみたいなものが画面から伝わってくると思いますし、すごく青春のみずみずしさを感じられるドラマになってると思います。大人から子どもまでたくさんの方に観ていただきたいです。よろしくお願いします。
當真:このドラマは、居場所のなさを感じている高校生たちが、かるたと出会って、梅園のみんなは大江先生と出会って、少しずつ1歩ずつ歩んでいきます。話を重ねるごとにどんどんかるたも上達していきますし、そのかるたと真正面から向き合うことによって、いろいろ見えてくるものがたくさんあって。それは、自分がどれだけかけて練習したか、そういう熱い思いだったりとか、隣を見たときに、同じ方向を向いて歩んでいる仲間がいるっていうことだったりとか、そういうことに気づきながら成長していく姿がたくさん見られる作品ですので、その成長を見守っていただけたら。
あとは、みんなの熱い思いだったりとか、青春にかける情熱がこれからの自分のためになるというか、大人になって振り返ったときに自分の支えになってくれるような、そんな存在だなっていうのはこの作品を通して私も感じたので、『ちはやふる』を見ていただく方にもぜひ感じとっていただけたらなと思います。