本作は、すれ違うことすらないはずの2人が出会い、大きな隔たりを越えて惹(ひ)かれ合うラブストーリー。堅い家庭で育ったまじめすぎる高校教師・小川愛実(木村)が、文字の読み書きが苦手なホスト・カヲル(ラウール)に言葉や社会を教える秘密の“個人授業”を続ける中で次第に距離を縮めていくも、さまざまな批判や非難、憎しみ、嫉妬が容赦なく2人を襲う。
私立ピエタス女学院高等学校3年葵組の担任・小川愛実は、生徒の信頼を得られず、授業中にトラブルを起こしてしまう。私生活では父・小川誠治(酒向芳)の紹介で出会った銀行員の川原洋二(中島歩)と結婚を前提に付き合っているが、内心モヤモヤとした気持ちを抱えていた。
そんな中、葵組の生徒・沢口夏希(早坂美海)がホストクラブにハマり、親のキャッシュカードを使い込んでいることが発覚。愛実と副担任の佐倉栄太(味方良介)は、夏希を連れ戻すために歌舞伎町へと向かう。
内心怯えながら、ホストクラブ「THE JOKER」の中へと足を踏み入れる愛実。そこには圧倒的なスタイルでクラブ内を闊歩するカヲル(ラウール)の姿があった。愛美は夏希の母から「今後一切夏希に連絡をしない」という念書をカヲルに書かせるよう要求され、愛美は何度もカヲルのもとを訪ねるように。そうしたやりとりが続いていく中で、カヲルは愛美に自身の抱えている問題を打ち明けるのだった。
本作でホスト役に初挑戦したラウールだったが、アイドルとして活躍する普段の姿からかけ離れた、ミステリアスでどこかさみしげな雰囲気をまとっていた。