安田は、青いセットアップ姿でにこやかに登場。
本作の音声ガイドを担当した安田は、脳腫瘍(髄膜腫)の手術による光過敏の後遺症と向き合ってきた。自身の視聴体験を通じて音声ガイドの可能性を深く実感したという。通常の映画鑑賞では「主人公の誰かのストーリーが進んでいき、いわゆる2Dの中で世界が進んでいくという受け取り方をしていた」とし、今回初めての音声ガイドを通じて、「ストーリーテラーにもなるときもあれば、キャラクターそれぞれの位置に入っていって、自分がそのキャラクターの感情で説明をしていく。そうすることによって、2Dだったものが今度は3Dな感情になっていったのを体験したんです」とより立体的に物語世界を感じることができたと説明した。
続けて「いろんな角度から光を当てて、いろんな感情になりながらストーリーを体験していける、没入していけるっていうのが、今回このお仕事でこうやって関わらせていただけて感じた感想なので、皆様にもその感情を感じていただけるのかなという風に思いました」と伝えた。
また、演じ方については「あまりキャラクターごとに濃淡をつけすぎると逆に皆様が聞きにくいのではないかという話をしました」としながら、その上で「やはり僕も人間であり、出てくるキャラクターのみんなも人間であるということで、それぞれの感情の揺れはあると思います」と考えたという。「なので、僕自身感じた感情の揺れをそのまま大切に読ませていただきました」とし、「それぞれが主人公であるということ、再度体験してもらいながら、『火垂るの墓』を感じてもらえたらなと思います」と呼びかけた。
Netflixでは、スタジオジブリが手がけた不朽の名作アニメーション映画『火垂るの墓』を、15日より日本国内で初配信される。
Netflixは、国境、時代、言語、視覚や聴覚など、あらゆる違いや制限を越えて、誰もが物語にアクセスできる視聴環境の提供を目指しており、その一環として音声ガイドの充実に取り組んでいる。音声ガイドは、登場人物の動きや表情、場面の変化などをナレーションで補足し、せりふだけでは伝わりづらい視覚情報を視聴者に届ける。
イベントには安田のほかに、新潮社コンテンツ事業室室長・八代新一郎氏が登壇した。