7月4日に発表された『2025年 上半期ブレイク俳優ランキング(女性編)』で、見事1位を獲得した原菜乃華。昨年末公開の映画&ドラマ『【推しの子】』、主演を務めた映画『見える子ちゃん』、NHK連続テレビ小説『あんぱん』など話題作に出演するなど、大きな飛躍を見せた原。
インタビュー後半では、飛躍のきっかけになった考え方や、俳優として今後の展望などを語ってくれた。<インタビュー後編>

――原さんは、子役として若いころからさまざまな現場を経験されていらっしゃるわけですが、役者として一番大事にしていること、信条はどんなことですか?
【原】「一旦やってみる」とか「面白がってもらえたらいいな」と思っています。14、15、16歳の時は、オーディションに100回行って100回落ちるみたいなことをずっと繰り返していて。「正解のお芝居」を求めすぎてしまうんですけど、やっぱりそれだと見てもらえないんだなと思うようになりました。だけどそこから「多少その本筋とずれていてもいいから、記憶に残ることをしていこう」「メインの役じゃなくていいから、人とちょっと違うことをして、ほかの役で呼んでもらえたらいいな」って思うようになって、「オーディションのこの役に受かる」みたいに思わなくなってからは、オーディションの勝率も上がっていったような気がしています。なのでそれは、気に留めているかもしれないです。

―――その考えに至ったきっかけみたいなものってあったんですか。
【原】その時期はオーディションに受からなかったので、演技レッスンをずっと受けていました。やっていく中で、やっぱりほかの人のお芝居を見る機会もすごく多くて、うまい・下手というより「見てたいな」「なんかしてくれるのかな」っていう期待感を持って見られる方のお芝居がすてきだなと思う瞬間が多々ありました。きっとオーディションだと審査する人は何百人、何千人と見ていると思うので、すごく言い方が難しいですけど、「王道を一番上手にやった人」にたどり着くのは時間がかかるかもしれないけど、「他とはちょっと違うようなお芝居をした人」(というジャンル)の100人のうちだったら、名前を覚えてもらえるんじゃないかなって考えるようになりました。

 なので、この(オーディションのメインの)役じゃなくてもいいから、他の役でも呼んでもらえたらうれしいし、ちょっとでも頭の片隅に残してもらえたらラッキーぐらいの感覚になってからは、オーディションも徐々に受かるようになってきましたね。

――その考え方は、ご自身が演じられてきた役にも反映されているのですか?
【原】そうですね。
本当に周りがとんでもなく素晴らしい方々ばかりなので、何もせずにそこにいたら、画面に映っていても映ってないように見えちゃうなと思って。なので、邪魔にならない程度に「このキャラクターに目が行く」「キャラクターが魅力的に見える」って思ってもらえるような役者になりたいってずっと思っています。

――憧れの俳優、またライバル(刺激を受ける存在)の俳優がいらっしゃいましたら、その理由と合わせて教えてください。
【原】憧れは事務所の先輩の小栗旬さんですね。役者としても人としても尊敬できる方で、私にもすごく気を遣って声をかけてくださったりします。みんな大好きですし、小栗さんをすごく信頼していて敬愛しているので、そういう存在になれたらいいなと思います。

――ライバルはいかがですか?
【原】あんまりいないですね。周りを見れば、すごい方々がいっぱいいる世界なので。落ち込むことも多いですけど、あんまり考えないようにしています。

――今後はどういう俳優になっていきたいですか?
【原】どうなっていきたいというよりかは、1つ1つ目の前の役に真摯に向き合っていきたいなっていうのが第1ですね。でも、「この人が出ているならちょっと見てみようかな」と思ってもらえるような役者さんにはなりたい。「この人のお芝居は見ていて楽しい」「ワクワクするな」と思ってもらえるようなお芝居を探求し続けたいと思っています。


――チャレンジしてみたい役とか、ジャンルはありますか?
【原】いまは制服を着ることがすごく多いのですが、お仕事ものをやってみたいですし、専門用語を使うような職業の役とかにチャレンジしてみたいです。

――医師とか?
【原】はい。あとは弁護士さんとか。

――下半期も、本日(取材日)初日を迎えた映画『ババンババンバンバンパイア』を皮切りに、7月スタートのドラマ『ちはやふる-めぐり-』(毎週水曜 後10:00)と話題作に出演されます。ご自身の役どころを踏まえて、それぞれの見どころをお教えください。
【原】『『ババンババンバンバンパイア』は、バンパイアに恋するオタク女子っていう役どころで、私自身も結構オタク気質なところがあるので、すごく演じやすい役でした。本当にひたすら笑えるコメディー満載の作品になっていますし、吉沢(亮)さん演じるバンパイアさまと、板垣(李光人)さん演じる李仁くんの掛け合いがとってもかわいらしいです。2人の関係性の尊さにニコニコできるような、本当に面白いストーリーになっているので、たくさんポップコーンとか食べながら笑いながら、気楽に楽しんでもらえたらいいなと思います。

――『ちはやふる-めぐり-』はいかがでしょうか?
【原】主人公の幼なじみでライバルという役どころなんですけど、前作の広瀬(すず)さんが演じていた綾瀬千早の教え子なんです。似ている部分や性格も重なるところが多いので、広瀬さん演じる千早っぽさみたいなのを踏襲できるように、前作をたくさん見ました。そういう要素をちょっとずつ細かく入れられたらなと思いながら撮影していたので、そこにも注目していただきたいです。青春ドラマの金字塔『ちはやふる』が、新しくなって帰ってきます。
爽やかでみずみずしい作品になってますので、たくさんの方に見ていただきたいなと思います。

――この2作を含めて下半期も大活躍が予想されますが、2025年の残りはどのような半年にしていきたいですか?
【原】上半期があっという間すぎて怖かったので、本当に大切に生きていきたいです(笑)。日々の思い出を残しながら、健康に気を付けて過ごしていきたいです。

――ちなみに、長いお休みがもらえるとしたらどんなことしたいですか。
【原】アニメ一気見します。

――なるほど。どんな作品を?
【原】そうですね。最近だと、『チ。-地球の運動について-』というアニメを見ました。アニメ好きな方がたくさんいらっしゃるので、皆さんにおすすめを聞いて、マイリストに入っている作品を見進めていきたいです。

――最後に読者に向けて一言メッセージをいただければ幸いです。
【原】本当に光栄な順位をいただきまして、ありがとうございます。
いつも作品見てくださる皆様のおかげですし、これに恥じぬように精一杯、お芝居頑張っていきたいと思います。

衣装:上イヤーカフ(ete bijoux)、下イヤーカフ、人差し指リング(ともにJouete)、2連リング(ete)
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