俳優・歌手の中江有里が、映画『風の歌が聴きたい』(1998年/監督:大林宣彦)以来、26年ぶりに映画主演を務める新作『道草キッチン』が、11月7日より徳島県にて先行公開、11月22日より新宿K’s cinemaほか全国で公開されることが決定した。あわせて、日本版ポスターおよび予告編も解禁された。

 本作は、50代に差し掛かり、身寄りもなく孤独に生きてきた女性・桂木立(かつらぎ・りつ)のもとに、徳島県吉野川市から突然、相続に関する通知が届くところから物語が始まる。移住を決意した立が出会うのは、さまざまな事情を抱えながらも懸命に生きる地元の人々やベトナム人たち、そして自然豊かな食材を使ったベトナム料理。そうした人や食とのふれあいを通して、立は自身の生き方を見つめ直していくことになる。

 主演の中江をはじめ、『SHOGUN 将軍』で注目を集める金井浩人、『春原さんのうた』で主演を務めた荒木知佳、『誰かの花』の村上穂乃佳、北野武監督作品の常連俳優・仁科貴、『すとん』の本間淳志、そして『愛がなんだ』など今泉力哉作品で知られる芝博文らが出演。さらに、歌手・ミュージカルで活躍する今陽子、ミュージシャンの大塚まさじなど、多彩なキャストが集結している。

 音楽面でも作品を彩る顔ぶれがそろった。徳島県出身のピアニスト・石井琢磨が、エンディング曲としてクロード・ドビュッシー作曲「月の光」を演奏。また、中江と作曲家・松本俊明によるユニット「スピン」が挿入歌「それぞれの地図」を手がけ、中江自身が作詞・ボーカルを担当している。この楽曲には、羽ばたこうとするすべての人へのあたたかなエールが込められており、登場人物たちの心情にも寄り添うように響く。

 中江は、「あの頃の自分を思い出して書いた詞です。羽ばたこうとする人へのエールになりますように」とコメント。作曲を担当した松本も、「気をてらわず、自然体で風のささやきのような気持ちで作曲しました。皆さんにもこの心地よさを感じていただけたらうれしいです」と語っている。

 なお、挿入歌「それぞれの地図」は映画公開に先がけ、7月31日よりデジタル配信がスタートしている。

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