同作は、太平洋戦争中に実在した一隻の駆逐艦(くちくかん)「雪風」の知られざる史実を背景に、戦中、戦後、さらに現代へとつながる激動の時代を懸命に生き抜いた人々の姿とその運命を壮大なスケールで描く。
司会から「今回が戦争を題材にした映画の出演が初めて」と紹介され、その感想を聞かれた奥平は「最初に脚本を読ませていただいた時に、あまりにも自分が無知過ぎたので、劇中で起きていることに全く知らないことが多くて」と吐露。出演するにあたり、資料を読み、「知識をつけていく内に、知っておくべきものが多いんだという認識ができた」と振り返る。
そして「僕らと同い年の子は戦争について知らないことが多いんじゃないかなって思うんです。戦争に関しての話を聞ける機会もだんだん少なくなっていますし、その中でどう後世に伝えていくかって考えた時に、いま生きている僕たちが大人になった時に伝えていくことが大切だと思ったので、この映画を通して、そういう方が増えれば」と作品への思いを語った。
■物語
生きて帰り、生きて還す。戦場の海から命を救い続けた、駆逐艦「雪風」の史実に基づく物語。真珠湾奇襲攻撃による日米開戦以降、ミッドウェイ、ガダルカナル、ソロモン、マリアナと、すべての苛烈な戦いを生き抜き、どの戦場でも海に投げ出された多くの仲間たちを救い、必ず共に還ってきた一隻の駆逐艦があった。その名を「雪風」。いつしか海軍ではこの艦を“幸運艦”と呼ぶようになる。それは沈着冷静な艦長・寺澤の卓越した総艦技術と、下士官・兵を束ね、彼らから信頼される先任伍長・早瀬(玉木宏)の迅速な判断によるものだった。時にぶつかりながらも、互いに信頼し合っていく二人。