ビルや街の灯りがともる月夜に、どこか遠くを見つめる遠野貴樹(松村)と、篠原明里(高畑充希)。二人の視線はそれぞれ別の方向を向き、「いつか、どこかで、その人に―」と明里との過去の思い出に想いを馳せる貴樹と、「いつも、どこかに、その人は―」と過去の思い出とともに今を生きる明里が、対照的なビジュアルとなっている。
その間には、二人の思い出の原点ともいえる、雪の中に立つ桜の木の下で、約束を交わした日の忘れられない記憶が。周囲には、本作で象徴的な桜と雪が散りばめられ、夜の闇を照らす「アカリ」となっている。ポスターやチラシは22日から全国の劇場に掲出される。
また、新キャスト9人も発表された。松村演じる貴樹と同じソフトウェア開発会社に勤める上司・窪田邦彦役に岡部たかし、同僚の金子あさみ役に中田青渚、戸田宗次郎役に田村健太郎、酒井直役に戸塚純貴、大野泰士役に蓮見翔(ダウ90000)が出演。いずれも不安や迷い、焦燥に駆られる貴樹の周りで、現実を忙しなく生きる人々をリアルに表現し、ある人は貴樹に手を差し伸べ人生を変えるきっかけを作る、重要なキャラクターとなる。
そして、新宿・紀伊國屋書店の店長・柴田治役に又吉直樹、店員・田村四季子役に堀内敬子、アルバイト店員・大橋純透役を佐藤緋美が演じる。高畑演じる明里が勤める職場であり、宮崎あおい(崎=たつさき)演じる輿水美鳥がワークショップを開催するなど、たくさんのキャラクターが訪れる重要な場所となっている。
また、種子島の高校生で森七菜演じる花苗の親友、砂坂翔子役に白本彩奈。貴樹に想いを寄せる花苗の、恋愛や進路についての良き相談相手となり、親友として寄り添う等身大の高校生を演じている。
さらに、主演の松村、監督の奥山由之氏、原作の新海誠氏によるスペシャルな鼎談が実現。実写化の話が来た時に思ったこと、実写ならではのエッセンスや制作秘話など、本編制作に関する話はもちろん、映画の時代設定である2000年代についてや、主人公・貴樹の年齢30歳の時に自分が何を考えていたか、など価値観・考え方にも言及され、幅広いトークテーマが展開された。
鼎談動画は9月26日、10月3日、10月10日の3週にわたって、各日午後6時よりYouTube(東宝MOVIEチャンネル)にて公開予定。
今作は『君の名は。』(2016年)、『天気の子』(19年)、『すずめの戸締まり』(22年)など、記録的な大ヒット作を生み出してきた新海誠氏によって07年に公開された劇場アニメーションをもとに、主人公・遠野貴樹の18年間にわたる人生の旅を描く。
「ポカリスエット」のコマーシャル映像や、米津玄師「感電」「KICK BACK」、星野源「創造」のミュージックビデオを監督し、映像監督・写真家として若くして国内外から高い評価を得ている奥山由之氏が監督を務める。