ものまねタレントのコロッケが、17日放送のMBS/TBS系『情熱大陸』(後11:00)に出演する。

 取材を始めた5月。
コロッケは、都内の病院に入院していた。無精ひげをはやし、全体的に痩せ、立つこともやっと。長年、体を張った芸を続けてきたことで両膝を痛め、人工関節を入れる手術を受けていたのだ。だが回復が遅れ、ステージに立てない日々は2ヶ月に及んでいた。「こんなに仕事を休むのは、45年の芸歴で初めて」と話す。病室では気丈に振る舞い、取材スタッフにものまねも披露。だが胸の内には、誰にも見せたことがない不安があった。

 いわずと知れた、ものまね界のレジェンドとしての地位を確立したコロッケ。郷ひろみ、野口五郎、森進一から、BTSやEXILEまで、そのレパートリーは1000を超えるという。醍醐味は、対象の本質をつかんでデフォルメすること。五木ひろしのものまねはロボットへと昇華し、“五木ロボットひろし”として幅広い世代を爆笑させてきた。

 そんな65歳が、ゼロから立ち上がる。
カメラは、ソロコンサート復帰を目指す舞台裏に密着する。捉えたのは、長く芸を支えてきた創作の秘密「目で聴いて、耳で見る。そうすると、見えないものも見えてくる」という神髄だった。

 取材期間中、熊本に里帰りした。母子家庭に育ったコロッケは、働く母の帰りを待つ間、ひとつ違いの姉と“ものまね遊び”をして寂しさを紛らわしたと振り返る。「笑うとが人間たい」という信念を持っていた母。89歳になった彼女と再会したレジェンドは、少年の顔に戻っていた。そして、7月のソロコンサート本番。病室で構想を温めた新たな芸にも挑む。大爆笑は、また起きるのか。
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