取材を始めた5月。
いわずと知れた、ものまね界のレジェンドとしての地位を確立したコロッケ。郷ひろみ、野口五郎、森進一から、BTSやEXILEまで、そのレパートリーは1000を超えるという。醍醐味は、対象の本質をつかんでデフォルメすること。五木ひろしのものまねはロボットへと昇華し、“五木ロボットひろし”として幅広い世代を爆笑させてきた。
そんな65歳が、ゼロから立ち上がる。
取材期間中、熊本に里帰りした。母子家庭に育ったコロッケは、働く母の帰りを待つ間、ひとつ違いの姉と“ものまね遊び”をして寂しさを紛らわしたと振り返る。「笑うとが人間たい」という信念を持っていた母。89歳になった彼女と再会したレジェンドは、少年の顔に戻っていた。そして、7月のソロコンサート本番。病室で構想を温めた新たな芸にも挑む。大爆笑は、また起きるのか。