■「ハリガネのようにまっすぐ」は求められていない、”縮毛矯正の薬剤”と”美容師の技術”両方が進化
以前は髪のクセが強い人が行うイメージが強かった“縮毛矯正”。今は単に髪のボリュームをおさえるだけではなく「ツヤ髪にしたい」「髪をケアしたい」という人がヘアデザインやヘアケアの一環として行うケースが増えている。
「髪質改善が今流行っていますけど、その手法のひとつとして“縮毛矯正”があります。薬剤も昔に比べ進化していて、髪のダメージにも対応できるようになりました。脱色やパーマなど複雑な施術履歴を持つ方も多いので、ダメージ髪に対応できるように美容師たちも技術をあげてきています。だからこそ、ハリガネのようにピンっと伸ばすのではなく、元からこんな髪でしたよと言えるようなナチュラルなストレートヘアを作ることができる。仕上がりは美容師の技術によってかなり変わります」
遠井さんは、“ハリガネのような直毛になる”縮毛矯正の既存イメージを変えたいと、“地毛風ストレート”というネーミングをつけてSNSで発信を続けてきた。そのキーワードは近年の美容トレンドにも合致し、縮毛矯正のメニューとしても自然な仕上がりになるものが急速に広がっていった経緯がある。
「ここ数年の美容トレンドは、ファッションも、メイクも、食べ物も、すべて“ナチュラル”に切り替わっていますよね。
■「たいていの人が8割程度しか乾かせていない」暑い時期ならではの注意ポイント
一方で、縮毛矯正をかけても“サロン帰りの状態”を保ち続けるのは至難の業という声も。「自宅でのヘアケアを習慣にできるかが大事」と話す遠井さんは、24日に開催されたBCL カンパニー 美容家電『MASTER MOIST』お披露目発表会に登壇し、この時期ならではのヘアケア・ブローの注意点について解説した。
「まずは、髪質に合ったシャンプー・トリートメントを選んであげること。そしてシャワーでの余洗いは最低1分間行うようにしましょう。そうすることで、地肌や髪に付着した汚れを取ることができます。
ドライヤーをするときは、腕が疲れてくると髪をだいぶ乾かせた感覚になります。髪を触った時にしっとりしている感覚も、実は濡れているだけだったり。しっかり髪を乾かしきることが大事ですが、長時間乾かしているとオーバードライ(乾かしすぎの状態)になりかねません。今の時期とても暑いですし、できる限り短時間で乾かしきる。そのためには、強い風量が出るドライヤーを選ぶべきです」
■手ぐしでひっかかる…”乾かし方”で改善「適切に乾かせば、縮毛の持ちもよくなる」
『MASTER MOIST』を使用して、実演しながらモデルさんの髪を乾かしていった遠井さん。NGな乾かし方、ツヤを出す適切な乾かし方を教えてくれた。
【髪を乾かすNG例:髪の毛先が舞ってしまう】
「ドライヤーを下から当てると、毛先が舞いあがってしまいパサつきの原因になります。
【ツヤを出す適切な乾かし方】
(1)髪が生えている流れに沿って、頭皮を乾かすイメージで頭部に風をあてる
(2)頭部がある程度乾いてきたら、中間を乾かす。このとき毛先をにぎって乾かしてあげると◎ 毛先が舞い散らず、ドライヤーの熱がしっかり中間にあたる
(3)髪が8割ほど乾いたら、温風と冷風を交互にあてて乾かす
(4)毛先まで乾かしてあげる
「乾かしたあと、手ぐしを通すときにひっかかるという方がいます。それは中間の髪を乾かすよりも先に毛先が乾いてしまっているから。乾かしているときにひっかかりを感じたら、その手前部分にしっかり風をあてて乾かしてあげることがポイントです。適切に乾かしてあげることで、縮毛矯正の持ちもよくなります」
PROFILE/遠井 春彦(はるはる)
株式会社Tia.代表
数多くの著名人の美髪を手掛け、SNSの総フォロワー数は25万人。美髪セミナーの講師も務める。政府公認のアワード【カミカリスマ】にて1つ星受賞。