漫画やアニメ、ゲームのキャラクターの姿に扮するコスプレイヤーが見せる性別を超えた大変身は、SNSで度々話題になる。『呪術廻戦』の人気キャラに変身したまるんさんは、高度なメイク技術で驚きの男装コスプレを披露し、多くの反響を呼んだ。
一方で、『ストリートファイター』の「ザンギエフ」の姿に扮したSouuさんの巨漢レスラーになりきる大変貌ぶりも話題を集めた。コスプレに対するこだわりについて聞いた2組のエピソードを改めて振り返る。

■美女レイヤーが呪術廻戦人気キャラに「コンプレックスは“魅力”へと昇華できる」

 『呪術廻戦』の人気キャラに変身した動画で話題を集めている会社員コスプレイヤーのまるんさん。ほかにもジェンダーを超えたさまざまなメイク術を披露しているが、幼馴染から「このキャラのコスプレをしてほしい!」と言われたことがきっかけで“男装コスプレ”にハマったという。

 「高校時代からやっているデッサンや油絵、彫刻をやっていて、それらから培った観察力や描写力がメイクに生きている感じがします。一番苦労したのはウィッグなのですが、自然な髪になるように、ウィッグをカットしてセットできるように努力しました。美容師のYouTube動画を見るなどして、たくさん練習をしました」

 女性が男装メイクをする上では、存在感のある眉毛が重要であるため、眉毛が隠れないようなヘアスタイルを意識している。

 「ボディメイクもかなり重要で、肩幅を作ったり、身長をより高くするためのシークレットシューズは欠かせません。首筋や顔の輪郭をはっきり見せるために、シャドウをつけてコントラストをはっきりさせるメイクも大切にしています」

 現在は技術を習得し、メイクで様々な顔に変身しているまるんさんだが、最初にメイクに興味を持ち始めたのはコンプレックスの多さからだったという。丸顔、奥二重、寄り気味の目、鼻の大きさなど、数えるとキリがないほど、自分の顔に不満があったそう。

 「他人からは気になるほどではなくても、自分の中ではコンプレックスとして膨れ上がり、鏡を見る度に気にしてしまう…。私はそうした悩みをなんとかしたい一心で、高校生の頃からメイクを研究し、『大学生になったら整形したいな…』と思っていました」

 しかし、メイクの研究をするうちに、コンプレックスは“魅力”へと昇華できることを実感したという。


 「ボーイズメイクをするようになって、初めて気づいたことでした。私の場合、ずっとコンプレックスだった大きめの鼻が、ボーイズメイクをする際には、カッコよく見える要素になったのです。昔はコンプレックスに感じていたところも、なりたい顔によっては活かせることに気づきました。自分自身の思い込みや固定観念にとらわれず、その日の気分や着たい服に合わせてなりたい自分になることで、人生がより充実するので、『メイクは自由で楽しい!』と伝えていきたいです」

■細身女性からムキムキの大男に…巨漢レスラー「ザンギエフ」へ性別を超えた大変身

 人気格闘ゲーム『ストリートファイター』の巨漢レスラー「ザンギエフ」のコスプレ姿を投稿し、大きな反響を呼んでいるコスプレイヤーのSouuさん。

 普段の私服姿とザンギエフに扮した写真を比較した投稿は19万表示され、細身女性から巨漢レスラーへのあまりの変貌ぶりに、「“体作り”からめっちゃこだわり感じる」「変化ぶりがすごすぎる」「筋肉が輝いている」などと多くのコメントが寄せられた。

 性別はもちろん、髪型や体格も大きく異なるザンギエフに変身するにあたっては、さまざまな工夫が施されている。

 「シャツの中に肉襦袢を着て体型を盛ったり、ゴムのハゲヅラにモヒカンを羊毛で制作して被ったりして、このザンギエフが出来上がっております」

 さらに、Souuさんはザンギエフ以外のキャラクターのコスプレにも挑戦。『ストリートファイター6』に登場する「マノン」や「ジュリ」、そして、マタニティを活かして出産4日前に自宅で撮影したという「エドモンド本田」に扮した姿の写真も投稿しており、いずれも話題を集めている。
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