俳優の広瀬すずが9日、都内で行われた映画『宝島』東京プレミアに登壇。舞台あいさつでは、撮影現場での裏話を披露した。

 冒頭、広瀬は「こんばんは。広瀬すずです。本日は足を運んでいただきありがとうございます。撮影で始まった時もすごく感動した覚えがあるんですけど、こうして皆様に見ていただける日が来るのがとてもうれしく思います。短い時間ですが、よろしくお願いいたします」と観客にあいさつ。

 また、主演の妻夫木聡が、冒頭のあいさつで「やっぱり僕は映画の力を信じたいですよね。この映画に1%でもその誰かの人生を変えられる、こう未来を変えられる力があるんだとしたら、僕はやっぱりそれを信じたい。そういう奇跡っていうものをやっぱり目の当たりにしたいし、そのためにはやはり手渡しで届けていかなきゃなっていう思いはすごくありましたね」と熱く語ったことを受け、司会が広瀬に“熱い思いを持った座長率いる大友組の撮影がどうだったか”質問。

 広瀬は「妻夫木さんをはじめとして、本当に皆さんが沖縄という場所と正面から向き合って、愛と情熱を持って作品、役に取り組む姿っていうのは、本当にぜいたくな姿を近くで見させていただけたなと思うほど、なんかとても真っ直ぐな姿がとても刺激的で。今まで自分がこうして役だったり、作品と向き合う時の概念を改めて変えられるような姿に、すごく感動しました」と伝えた。

 広瀬は、本作のインタビューで「現場で一生分泣いた」と話しており、それについて聞かれると「枯れてましたね」と即答。「なんかすごくエネルギッシュな、ほんとに魂が宿ってる現場が続いていて、そこのエネルギーがものすごく強くて、くらうし吸い取られるし、なんかどんどん寂しくて寂しくて。1人のシーンも後半になると増えていって、海を見るだけでおんちゃんが思い浮かんだり。なんかこう、ちょっとした景色、音だけでもなんかすごく沖縄のパワーを感じながら撮影してたので。本編見ても『泣いてるな~』って思うほど、なんか現場ですごく実感あったわけではないんですけど。とても素直な感情でいたら、なんかそういう心情だったなって改めて後から思う感覚です」と振り返っていた。

 なお、東京プレミアには、広瀬のほか、妻夫木、窪田正孝、永山瑛太、塚本晋也、中村蒼、瀧内公美、栄莉弥、尚玄、木幡竜、奥野瑛太、村田秀亮(とろサーモン)、デリック・ドーバー、大友啓史監督が登壇した。

 映画『宝島』は、アメリカ統治下の沖縄を舞台にした真藤順丈の直木賞受賞作が原作。戦後、物資の乏しい時代に、米軍基地から奪った物資を住民に分け与える“戦果アギヤー”と呼ばれた若者たちがいた――ある襲撃の夜、リーダー格だったオン(永山)は「予定外の戦果」を手に入れ、忽然と姿を消す。残された幼なじみのグスク(妻夫木)、ヤマコ(広瀬)、レイ(窪田)は、それぞれ刑事、教師、ヤクザの道を歩みながら、オンの行方を追い続ける20年にわたる物語。

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