WEST.の神山智洋Travis Japan中村海人が共演するLeminoドラマ『ミッドナイト屋台2~ル・モンドゥ~』第7話が、きょう10日深夜0時から配信される。Season2は横浜を舞台に物語が展開してきたが、今回、神山と中村が演じる翔太と輝元が懐かしの寺へと戻ることに。
このほどその撮影の様子に密着。さらに今回は料理監修のフードコーディネーターにも直撃、毎回登場するユニークな料理の誕生秘話や、神山がストイックに料理に向き合う姿勢など、注目を集める料理にまつわる裏側を公開する。

 今作は東海テレビ制作、フジテレビ系で4月期に放送された『ミッドナイト屋台~ラ・ボンノゥ~』の続編。天才シェフ・遠海翔太と寺の元副住職である方丈輝元“最強バディ”が横浜を舞台に、夜な夜な屋台を訪れた人のお腹と心を満たすヒューマンドラマ。

 第7話では住職の座を輝昌(大西利空)に譲り、自身は引退するという輝徳(竹中直人)を励まそうと、翔太と輝元が久しぶりに泉楽寺を訪れるというストーリー。今回の注目シーンは、新たに住職になる際に行われる“入寺式”と呼ばれる儀式。エキストラだけでなく実際の僧侶の皆さんにも参加してもらい、リアリティのあるシーンが完成した。

 約2ヶ月ぶりとなる寺での撮影に、神山や中村をはじめ、キャスト陣やスタッフ陣も懐かしそう。ドラマの舞台となる泉楽寺は「東京近郊の古刹」という設定になっているが、実際のロケ地となった寺も開山から1200年という歴史を誇る由緒ある寺院。境内のシーンで映り込む大きな杉の木も、樹齢750年を数える巨木として知られている。広い敷地内の庭木の手入れなども業者を入れずに寺のスタッフだけで行っているという話に、義実家が寺という石田ひかりも「うわぁ、それは大変。でも立派よねぇ」と感慨深げだった。


 そしてこの日の撮影のクライマックスとなったのは、輝昌の入寺式のシーンだ。入寺式とは、寺が新たな住職を迎え入れる儀式のことで、檀家の方々や近隣の寺の僧侶なども招いて盛大に執り行われる。この日の撮影では、近隣の寺僧侶役を同宗派の僧侶の皆さんが担当した。法衣を身にまとった竹中が登場すると、僧侶の皆さんからも「似合ってます!」といった声が飛ぶ。竹中も少し照れくさそうだったが、帽子(もうす)をどの程度の深さでかぶるべきかなど、細かな部分まで本職の皆さんに相談していた。入寺式は関係者が一列になり、山門をくぐってお寺に入るところからスタート。

 そして本堂で払子(ほっす)と呼ばれる仏具を渡されることで、正式に新住職が誕生することになる。旗を持って行列の先頭を務めるのは、寺の関係者である輝元。演じる中村は、指導役の住職から「上半身を動かさずに歩くと、厳かな雰囲気になります」とアドバイスを受け、歩き方を練習。こうして、入寺式の撮影が始まった。

 輝元を先頭に、新旧住職の輝徳と輝昌、檀家の方々、僧侶の皆さん、そして翔太や着物姿の真耶といった関係者が一列になり、お題目を唱えながら寺へと入ってくる。この列には「万灯(まんとう)」と呼ばれる、纏を身に付けて団扇太鼓や笛、鉦(かね)を鳴らすお囃子の人々も加わり、厳かな中にも賑やかな雰囲気に。
そして行列が本堂に到着すると、入寺式の重要なシーンである払子の受け渡しとなる。

 この場面の撮影でスタッフが苦労したのは、なによりも暑さ対策。この日も最高気温30℃を超える中での撮影となったが、本番では作動音が入らないようエアコンをOFFにしなければならない。法衣をまとった竹中や大西をはじめ僧侶の皆さんが多いため、監督の「カット!」の声がかかるたびにスタッフ総出で麦茶を配ったり扇風機を持ってきたりと大忙し。集中力高く臨んだことで、どのシーンもほぼ一発撮りでOKとなった。こうして、クライマックスとなる新住職・輝昌が払子を渡されるシーンも撮影完了。輝昌の決意を秘めた表情や、輝元や真耶たちの新住職に向ける眼差しにも注目だ。

 また、今作もいよいよ終盤。翔太と輝元だけでなく、毎回登場するおいしそうな料理も主役といえるこのドラマに、フードコーディネーターとしてSeason1から携わっているのが藤代太一氏だ。今回もメニューのアイデア出しから調理指導、さらに現場での調理など、ドラマ作りを陰から支えてきた。「『ミッドナイト屋台』はホームページに毎回レシピが掲載されるので、メニューを決める際は視聴者の方にも再現しやすいことを念頭に置きながら考えていきました。ただ翔太がフレンチ出身のシェフという設定なので、ベーシックなメニューにもフレンチならではの技法を織り交ぜています」と、レシピのポイントを語る。


 たとえば第2話の「フレンチ風牛丼」でもキャラメリゼやデグラッセといった技法を加えてレシピを考案。こうしてこのドラマらしい、唯一無二のメニューが完成した。実は藤代はフードコーディネーターと同時に、俳優としても活動中。そんな藤代だからこそできるのが、「シェフらしい所作」の指導だ。「たとえば“トーション”と呼ばれる布を、フレンチのシェフは調理のさまざまな場面で活用するのですが、使わない時はサッと肩にかけたりします。そうしたシェフらしいさまざまな所作を神山さんに伝えました。またフレンチでは包丁を引き切りすることが多いのですが、それも練習されたと聞いています」。

 また意外と困るのが「輝元のシーンの背景で、黙々と調理する翔太」といったシーン。「僕自身、演技をする側なのですごく分かるのですが、そういったシーンでどんな動きをすればいいのかって悩むんですよね」と藤代。そこで、「どんな動きで間を持たせればシェフらしく見えるのか」といったことも神山に指導。細かな部分の動きにもこだわるからこそ、リアリティのあるグルメドラマとなったのだ。

 第7話で登場するのは、巨大なミートボール。
「輝徳は長年住職として、煩悩を封じ込めて生きてきたわけです。だから肉や魚を節制するだけでなく、スパイスなど刺激物も摂取してこなかったのでは、とイメージしました。そこで今回のミートボールはステーキ肉を粗みじん切りにして加えることで肉々しさを出し、そこにさまざまなスパイスを加えてみました」。ちなみにこのミートボールを輝徳が食べるシーンは、“喰(く)らう”という表現が相応しいほど輝徳役の竹中が熱演。竹中が発する生々しいセリフの数々に、リハーサルでは中村が「あれ?そんなセリフ、ありましたっけ?」と驚く場面も。そんな竹中の迫真の演技は、まさにこの回の名シーンとなっている。
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