『つるばみ色のなぎ子たち』は、清少納言によって『枕草子』が記された千年前の京都を舞台に、徹底した歴史調査と文献分析をもとに描く意欲作。イベントの告知用画像には、制作中の中宮定子の設定資料を使用。平安時代や周辺文化の研究者・承香院氏の協力を得て、当時の装束や色彩感覚を忠実に表現しており、作品世界の空気を先取りできる貴重な一点となっている。
本作は、国際的にも注目を集めており、今年6月にはフランスで開催された世界最大級のアニメーション映画祭「アヌシー国際アニメーション映画祭」の「ワーク・イン・プログレス」部門に正式出品。現地では制作過程がスタッフにより紹介され、米業界紙「VARIETY」は「記録された歴史に命を吹き込もうとしている」と伝えた。
講演会では、『つるばみ色のなぎ子たち』における千年前へのアプローチについて、監督自らが語るほか、同館学芸企画部長・松嶋雅人氏との対談も予定されている。定員は380人で事前予約制(9月17日~10月17日、超過時は抽選)。
また、講演会開催を記念し、10月28日から11月3日まで平成館ラウンジにて「『つるばみ色のなぎ子たち』制作資料展」を実施。キャラクター設定資料や、千年前の世界を描くための制作過程を公開する(展示の写真撮影およびSNS掲載は禁止)。