本作の魅力は、極限状態を描くスリリングなストーリーと、リアリティを極めた映像表現。これまでも無人の渋谷スクランブル交差点や精巧に設計された“げぇむ”シーンなど、現実と虚構が分からなくなるくらいの映像クオリティで観る者を釘付けにしてきた。
シーズン3では、オリジナルストーリーならではの先が読めない展開や新たな“げぇむ”を、最新のVFX技術と大規模セットを組み合わせて表現。映像のスケール感はこれまでのシリーズを凌駕し、まさに「今際の国」の世界が進化を遂げている。
このたび解禁されたスペシャルメイキング映像では、山崎賢人(※崎=たつさき)と土屋太鳳が全身で濁流に挑む、クライマックスシーンの撮影風景を収録。
主演の山崎がグローバルイベントで「特別な方法で撮影した」と語っていた“東京が濁流に呑まれる”シーンのセットが映し出される。
プロデューサーの森井輝は、映画『海猿』で培った経験をもとに撮影を設計。巨大プールと滑り台を作り、上からドラム缶で水を落とすことで自然なうねりを再現した。さらに造波プール用の装置で荒波を起こし、俳優たちは太いホースで放流された大量の水に抗いながら演技を続けたという。
大量の水を使い、プールのように設えた特設セットの中で、山崎と土屋が激しい水流と波に抗いながら撮影に挑む姿は圧巻。さらにVFXが融合することで、まさに息を呑む映像へと完成していく過程が描かれる。
メイキング映像には、“げぇむ”のひとつ「暴走でんしゃ」の撮影風景も収録。スタジオ内に車両を丸ごと一両分製作し、前後の車両も三分の一ずつ再現。1号車のシーンを撮影して2号車に移動したら、役者たちは再び後方から車両に入ってきて2号車のシーンを撮影し……を繰り返して、リアルな連続性を演出した。
走行中の揺れは、車両の下にバネを設置し、スタッフが力をかけることで表現されている。アリスとウサギが離れた車両から必死に手を伸ばすシーンは、キャストの演技とセット美術の力で迫力あるシーンを生み出し、観る者を強烈に引き込む名場面となった。
また本作で精神的に最も追い詰められる“げぇむ”として描かれるのが「ミライすごろく」だ。作品の中に登場する25部屋(マス)を全て同じ部屋で撮影している。その部屋は6面がLEDパネルになっている。そこを役者たちが出たり入ったりしながら演技をし、シーンを積み重ねていくという地道な撮影が1ヶ月続いた。背景に映し出される都会の街並みと、そこで演じるキャストらの姿はスタジオ撮影とは思えないほど自然になじみつつも、どこか異質で、その特異な雰囲気が「今際の国」ならではの世界観を形作っている。
あわせて、撮影現場でのオフショットも公開された。劇中では極限状態に追い込まれる緊迫したシーンが多いが、今回公開された写真では、主演の山崎や土屋をはじめキャスト陣のリラックスした笑顔が並ぶ。ハードな撮影を支え合ったキャストとスタッフの絆が垣間見えるショットとなっている。