主人公は、いつものMCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)と同じく最強ヒーロー“ワンダーマン”……と思いきや、ワンダーマンというヒーロー役を演じたいだけの俳優、サイモン・ウィリアムズ(演:ヤーヤ・アブドゥル=マティーン二世)。
このたび解禁された予告編には、スーパーヒーローも、超能力も一切登場しない。映像は“世界的映画監督フォン・コヴァクが『ワンダーマン』のリメイクを製作中”というニュースから始まる。
この報道にハリウッド中に激震が走り、コヴァク監督は「みんなヒーローに飽きてる。ストーリーテリングの様式全体を創造し直す機会だ」と、映画界へ(そしてMCUへ!?)大胆な一石を投じる。そして、このビッグプロジェクトの主演に名乗りを上げる数えきれない役者の中の一人がサイモン・ウィリアムズだ。
“ワンダーマン”に運命を感じたのか、あるいはほかの理由があるのか、「絶対に出たい」「俺のための役だ」と意気込むサイモンだが、既に「もうレオ様(レオナルド・ディカプリオ)に話が…」といきなり暗雲が立ち込める。
しかし、努力が功を奏してかサイモンは次の選考へ進むことに。コヴァク監督と面会すると、「作りモノと現実の境目を探りたい」「この世で最後の映画になる」「誰もが降参しメガホンを置くだろう」…と謎めいた言葉が投げかけられていく。
果たしてサイモンはワンダーマン役をつかめるのか。そしてもしつかんだとして――何が起きるのか。そもそもワンダーマンはスクリーンの中だけの存在なのか、本当に存在し、現実に現れるのか――物語は予測不能の展開を見せる。
サイモンへ時折アドバイスを投げかけるベテランじみた男(演:ベン・キングズレー)は、『アイアンマン3』や『シャン・チー/テン・リングスの伝説』にも登場したトレヴァー・スラッタリー。『アイアンマン3』ではトニー・スタークと敵対するテロリスト集団テン・リングスのリーダー“マンダリン”を演じていた役者だ。彼がハリウッドの先輩としてサイモンと行動を共にするようだが、登場するたびに予想の斜め上をいく展開をもたらしてきたこの男は、今回も物語をどのようにかき乱すのか。
本作の製作総指揮を務めるブラッド・ウィンダーバウムは、「マーベルにとってまったく新しい味わいの作品で、私が今まで関わった中で最もお気に入りのひとつです。“誰もまだ見たことのない最高のシリーズ”だと思っています。映画作りという行為そのものへのラブレターであり、俳優という職業へのラブレターでもあります。とても誠実で、美しい作品です」と力説している。
製作総指揮・脚本を務め、複数エピソードの監督も手がけるのは、『シャン・チー/テン・リングスの伝説』の監督、そして『スパイダーマン:ブランド・ニュー・デイ』でも監督を担うデスティン・ダニエル・クレットン。
主演のヤーヤ・アブドゥル=マティーン二世(『グレイテスト・ショーマン』、「アクアマン」シリーズ)をはじめ、ベン・キングズレー(『シンドラーのリスト』、『ジャングル・ブック』)、エド・ハリス(『トゥルーマン・ショー』、『トップガン マーヴェリック』)らが脇を固める。
「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」や「アベンジャーズ」など、世界中に衝撃と感動を巻き起こしてきたマーベルが放つ新作は、現時点でジャンルすらも不明な異色の物語になりそうだ。

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