西岡はゲネプロを終え、さっそく「きょうは、てら(寺西)とばっちりセッションができた」と満足げ。「てらは去年も映画で一緒に合ったりしてた。すごく感性も豊かな男。褒められる人格だし、とても幸せ。そういう相手役とめぐりあえたことが」と喜んだ。
そんな寺西は「光栄でございます。映画でも相対する役で。今回は2人だけのお芝居させてもらって、稽古中もいかに鳥居耀蔵の気持ちが動くか、セリフまで考えてやっていただいたのですごくやりやすく日々楽しい稽古でした」と感謝を込める。
さらに「役柄で相対するときは緊張しますが実際はすてきな、お優しい方。そのへんは緊張せず、フランクに接していただいています」と西岡との関係性を明かし、「ゲネとはいえ本番さながらの熱量でぶつかり合えた。もっといろんな課題があるのでここからさらにブラッシュアップして良いお芝居を届けられたら」と奮起した。
今作は、2017年に宮本が演出した朗読劇『画狂人 北斎』の系譜を継ぐもの。
物語は、江戸時代末期、天保の改革のもと南町奉行として市中の取り締まりを担った政治家・鳥居耀蔵(寺西)と、画に生涯を捧げた葛飾北斎との対峙を軸に展開される。北斎に憧れを抱きながらも、時代と秩序を守ろうとする耀蔵との対立が、芸術と社会、個と権力の狭間で交差していく。
今回、寺西は時代劇初挑戦。これまでの『画狂人 北斎』から内容を一新させた宮本氏は「寺西さんのお芝居を舞台でみて感動して。“ただ存在することができる役者がいた!”と興奮して。寺西さんには今までやったことのないことをやらせる。かつらもあらゆるものを」とかきたてられるものがあったそう。
さらに「最初は戸惑ってましたが、徹底的に、だいぶ細かいこともしつこく言って。また人が良いから“ありがとうございます”って言うんです。本当によくぞチャレンジをしてくれて全身全霊で飛び込んでくれた」と称えていた。このほか、雛形あきこ、廣瀬智紀も参加した。