本作の舞台は、凶悪犯罪の増加を背景に、厳格な治安統制のため、AI(人工知能)が司法を担うようになった近未来。敏腕刑事レイヴンは、ある日突然、妻殺しの容疑でAI裁判所「マーシー裁判所」に拘束される。えん罪を主張するが、覚えているのは事件前の断片的な記憶のみ。彼が無実を証明するために与えられた猶予は90分。AIが支配する世界中のデータベースから証拠を集め、AI裁判官が算出する“有罪率”を規定値以下に下げなければ、即座に処刑されるという極限の状況に追い込まれる。
解禁された予告映像では、レイヴン刑事(クリス・プラット)がかつて同僚を凶悪犯罪で失い、その犯人が無罪放免となった過去を背負いながら、より厳格なAI司法の制定に関わっていた背景が明らかになる。しかしその本人が、皮肉にもAI裁判の被告人となり、AI裁判官マドックス(レベッカ・ファーガソン)と対峙(たいじ)する立場に置かれる。自らの無実の証拠を探そうと奮闘するなかで闇深い事実までもが暴かれ、レイヴン自身の善悪も曖昧(あいまい)になっていく。
AI裁判官マドックスを演じるレベッカ・ファーガソンは、『グレイテスト・ショーマン』『ミッション:インポッシブル』シリーズ、『DUNE/デューン 砂の惑星』シリーズなどで国際的な評価を確立してきた実力派。人間の感情を持たないAI裁判官をどのように演じるのか期待が高まる。
監督は、デジタル画面のみで物語を構築した異色のサスペンス『search/サーチ』で注目を集めたティムール・ベクマンベトフ。プロデューサーには、『オッペンハイマー』を手がけたチャールズ・ローヴェンが名を連ねる。
同時解禁となったポスターには、被告人席に拘束されたレイヴン刑事と、冷ややかな視線を向けるAI裁判官マドックスの姿が描かれ、爆破される高層ビル群や空飛ぶバイク、緊急出動するヘリコプターなど、緊迫感に満ちたビジュアルとなっている。
急速に発展するAI社会における「正義」と「裁き」の在り方を問う本作は、リアルタイムで刻々と迫る制限時間の中で展開されるアクションスリラーとして、2026年公開作品の中でも注目を集めそうだ。
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