1985年の公開以降、世界的なムーブメントを巻き起こし、時代を象徴するSF映画として今なお高い人気を誇る『バック・トゥ・ザ・フューチャー』。その40周年を記念し、12日より史上初のIMAX、そしてプレミアムフォーマットでは4DXでの1週間限定上映が行われている。そんな本作の製作・脚本を務めたボブ・ゲイルが、主人公マーティ・マクフライ役のマイケル・J・フォックスとの“運命の出会い”を語る特別映像が公開された。

 本作は公開当時、全世界の年間興行収入1位を記録し、日本でも社会現象的な広がりを見せたが、その制作過程には大きな苦難があった。企画段階では実に40回もの却下を受けながらも、スティーヴン・スピルバーグがアンブリン・エンターテインメントの「初仕事」として製作を決断し、ようやく撮影が始まった。しかし、撮影開始から5週間後、主役俳優の降板という非常事態が発生する。 

 ゲイル自身も「前代未聞だ」と振り返る通り、当時の現場は誰も経験したことのない重苦しい空気に包まれていた。そこへ現れたのが、過酷な掛け持ちスケジュールを縫い、睡眠時間を削って駆けつけたマイケル・J・フォックスだ。彼がセットに入り、ドク役のクリストファー・ロイドとのシーンを演じ始めた瞬間、すべてが変わる。

 その時の興奮をゲイルは「最高(ゴールド)だったよ。まさに完璧だった」と熱く語る。「大きな重圧が一気になくなった。“彼がマーティ・マクフライだ”とね」。

 公開された映像では、マイケル本人が当時の過酷なスケジュールをあどけない表情で語る貴重な姿や、ボブ・ゲイルが当時の安堵と喜びを振り返る様子も見ることができる。

 奇跡のキャスティングが作品を救い、世界的名作が誕生するに至った裏側が初めて明かされる貴重な映像だ。スクリーンで改めて“完璧なマーティ・マクフライ”の魅力を堪能できるこの機会をお見逃しなく。

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