本作は、12月12日から開催されていた同映画祭のコンペティション部門に出品され、世界各国から選ばれた14作品の中から最高賞に選ばれた。
同映画祭は、インド国内でも特に評価の高い映画祭のひとつで、日本映画としてはこれまでにも『ある船頭の話』(2019年、監督:オダギリジョー)、『悪は存在しない』(23年、監督:濱口竜介)などがグランプリを受賞している。今回の審査員には、イラン出身のモハマド・ラスロフ監督(『聖なるイチジクの種』)や、マレーシア出身で日本でも活動するエドモンド・ヨウ監督(『ムーンライト・シャドウ』)らが名を連ねていた。
映画祭での公式上映後には、現地観客から「とても美しい映画」と称賛の声が相次ぎ、通りがかりの観客が大川に直接感想を伝える場面もあったという。
同映画は、つげ義春の短編漫画『海辺の叙景』『ほんやら洞のべんさん』を原作に、三宅監督が独自の解釈で映像化。11月7日から全国公開され、12月13日には国内興行収入1億円を突破した。韓国でも12月10日の劇場公開から約1週間で観客動員3万人を超えた。北米、ヨーロッパ、アジア各国での配給も決定している。
国内映画賞でも評価は高く、「第47回ヨコハマ映画祭」では日本映画ベストテン第2位に選出され、河合優実が助演女優賞、高田万作(※高=はしごだか)が最優秀新人賞、月永雄太が撮影賞を受賞。さらに「第80回毎日映画コンクール」では、日本映画大賞、主演俳優賞(シム・ウンギョン)、助演俳優賞(堤真一)、監督賞(三宅唱)、撮影賞(月永雄太)、美術賞(布部雅人)、録音賞(川井崇満)の計7部門にノミネートされるなど、作品、俳優、スタッフワークのすべてが高く評価されている。
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