第28回松本清張賞を満場一致で受賞した、波木銅による青春小説を映画化した『万事快調〈オール・グリーンズ〉』(2026年1月16日公開)より、南沙良、出口夏希、吉田美月喜が出演する“ほぼ全てアドリブ”の本編映像と新場面写真が解禁された。

 本作は、未来が見えない町で鬱屈した日々を送る高校生たちが、一攫千金を狙い同好会「オール・グリーンズ」を結成し、禁断の課外活動に踏み出していく姿を描く。

 ラッパーを夢見ながらも、学校にも家庭にも居場所を見いだせない主人公・朴秀美(ぼく・ひでみ)を南。もう一人の主人公、陸上部のエースで社交的ながら家庭に問題を抱える矢口美流紅(やぐち・みるく)役を出口。さらに、同好会「オール・グリーンズ」のメンバー・岩隈真子(いわくま・まこ)を吉田が演じる。

 今回解禁された本編映像は、朴秀美、美流紅、真子の3人が、東海村の荒廃した海辺でピクニックをしながら夢を語り合うシーン。長回しで撮影されたこの場面は、自然な流れの中でアドリブへと発展していったという。ラッパー、映画監督、漫画家と、それぞれが“将来なりたい自分”を語る姿は、どん詰まりの高校生たちのリアルな感情を切り取っている。

 児山隆監督はそれぞれの演技に対して細かくは指示せず、俳優たちに委ねるスタイルで撮影を行い、本シーンの他にも多くのアドリブが含まれている。南については「過去のインタビューで『芝居の中で人から受けたものを大事にしている』という話をしていたんです。今回はそれも尊重しつつ、南さんが無意識にでも共演者に与える側になれば彼女の新しい一面が出せるんじゃないかなと思いまして。なので今回は、南さんにこれまでと違うフレッシュな感情で芝居をしてもらえるよう意識していました」と明かし、出口には「役の空気感が出せるように、とにかくのびのびと楽しくやってもらっていましたとにかくのびのびと楽しく演じてもらった」という。それぞれの個性がぶつかり合い、化学反応を起こしたシーンとなっている。

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