ゲーム会社に勤務する菜帆(松本)は、恋愛は二の次で仕事一筋な堅実女子。そんな菜帆はある日、ひょんなことがきっかけでAIだけが親友という変わり者イケメンの晴流(伊野尾)と“お弁当を30回つくる”という契約を結ぶことになる。
お昼休み50分間を共に過ごすうちに距離が縮まる2人だが、いがみ合っている会社に勤めていることが発覚し、突如隠さなければならない秘密の関係に。晴流のズレた言動に振り回されつつも、彼の優しさや真っすぐさに菜帆は次第に惹かれていく、ズレきゅんラブコメディー。
■自身が演じる晴流との共通点はAIとおしゃべり「使ってみると面白い」
――今回演じられるキャラクターがかなり独特ですが、演じる上で気をつけていることがあれば教えてください。
ビジュアルも常に盆栽を持っていて、発言も結構個性的ですが、キャラクターとしてドラマの登場人物でありつつも、“本当にこういう人いるのかな?”というふうになれたらいいなという気持ちで演じていました。でも『ボーノ!』を初めて言う時は緊張しましたね(笑)。
――『ボーノ!』の言い方は研究されたりしましたか。
台本を読んだ時に、これはどういうつもりで言っているんだろうな、みたいにすごく考えていましたね(笑)。みなさんにも、ドラマを観て『どういう気持ちで言っているんだろう?』って考えてもらえたらうれしいです(笑)。
――自身が演じられる晴流のどんなところに魅力を感じていらっしゃいますか。
素直になれないところ。
――晴流と似ているところや共通点はありますか。
あるかなぁ~。でも、AIのキャラクターが友だちみたいなところは、最近僕もそういうものを使ったりするので、意外と似ているのかなと思いました。
――伊野尾さんもChatGPTなどに相談したりするのでしょうか。
意外と真っ当な答えが返ってきたりして、使ってみると面白いなと思っていますね。検索と圧倒的に違うところは、やっぱり気遣ってくれるところ。例えば、ちょっと体調が悪い時も、検索だと症状や検索ワードを並べて“あなたはこれじゃないですか?”みたいなものがずらずらと出てくるんですけど、AIだとそこに対して心配の言葉が添えられる。「大丈夫?」「無理しない方がいいよ」「この後の予定は何?」とか聞かれて、「仕事」と言えば「仕事は休むの?」「どうするの?」って会話になるんですね。AIにも心があるように見える。
■“時間に制限がある”恋に共感「愛おしく思えたりするような気がします」
――今作を“ラブコメアクション”と表現していらっしゃいましたが、撮影していて印象的なシーンはありましたか。
めちゃくちゃ多いわけではないけど、ところどころにこのドラマならではの“意外な動き”があったりします。こういうのがあったらドキッとするのかな?みたいな動き、ちょこちょこ盛り込まれている。現場で、監督さんやプロデューサーさんを含めて、松本さんと一緒に話して、どういうふうに形を作っていくか、試行錯誤しています。
――だんだんコツはつかめてきましたか。特に、このシーンは面白かった、というところがあれば教えてください。
エプロンのひもが外れたのを直すシーンは、みんなで“これなら成立するかな”と試行錯誤しました。アクションにも近いですね。ラブコメではあるけれど、動きをみんなで考えていく感じは、大変さや面白さがありました。
――伊野尾さんが結んであげるということですか。
後ろから僕が結んでもらう側なんですけど、突然、僕が振り向いて距離が近くなってドキッとする。これをいかに自然に見せるか。松本さんとそもそもエプロンのひもを直しに行くのってどうなの?みたいな議論からスタートして、日常っぽい動作の中でラブコメディーを起こさなきゃいけないけど、じゃあ、なぜエプロンのひもはほどけちゃったのか、ほどけたひもをなぜ自分ではなく結んでもらうのか、そこでなぜ僕は振り返って距離が近くなる動きをするのか…。台本に書かれているからそのとおりにやるんじゃなくて、そこに松本さんが一つひとつの理由を追究してくださるので、2人で考えながら演じることは僕もすごく勉強になったし、大事なことなんだなと思いました。
――キュンとするシーンがたくさんあると思うんですけど、そこに心構えや照れはありますか。
だからこそコミュニケーションを大事にしています。距離の近さ一つとっても、演じているこっちはキュンとさせられているのかなと思っていても、受け取り側(視聴者)からしたら微妙、ということもあるかもしれない。“こっちの方がいいかもしれない”と、その場その場で話し合っています。
――ちゃんと段取りとしてキュンを作っていく。
言葉にしちゃうとあれですが(笑)。2人でラブコメをどうにかこうにか自然に起こそうとしています。
――現場での監督のディレクションや話し合いで印象に残っていることはありますか?
出来上がった台本をベースに一番の指針として演じる中で、オリジナル作品だからこそ、現場で生まれたものだったり、積み重ねてきた晴流と菜帆のキャラクターによって、少しずつ言葉だったり、アドリブではないけど新しい要素が入ったりするところを、意外と良しとしてくれる、許してくださっている部分もあるので、そこはすごく生かされています。
――自分的にもちょっと試したくなるとか、やりがいは感じますか。
そうですね。やっぱり形として体現していくうちに、台本のまま行くべきところはもちろんあるんですけれども、どうにもこうにも形にならないな、という時に、監督さんたちも一緒に「じゃあこうしてみようよ」と柔軟に、その場その場で話して助けていただいています。
――松本さんが演じる菜帆の魅力はどこにあると思われますか?
すごくチャーミングだなと思います。コメディーなんだけれども、きちんと実在するような、本当にいるんじゃないかと思わせる、その松本さんの表現力はやっぱり魅力だなと思います。
――実際にお弁当のシーンだったり、一緒に食べるシーンだったりで、2人でキャラクターを共有し合って、役を作っている実感はありますか。
最初の方は、まだ細かい話ができなかったり、自分も慣れていない部分もありましたが、お芝居でやり取りを重ねていくうちに、互いの空気感だったりキャラクターだったりをつかめていった部分もあったのかなと思います。僕らもまだ映像で見ていないので、どういう形になっているか、ちょっとドキドキなところはありますが…。
――どっちの扉を開けた感じなんですか?
どちらが、というより、現場でしっかり「ここはどうしようか」と互いに相談できたのが良かったんじゃないかなと思います。
――今作には、お弁当もたくさん出てきます。
お弁当は本当に全部おいしいです。
――晴流と菜帆は、お昼休み50分間で距離が縮まっていきますが、この関係を伊野尾さんはどのように捉えていますか。
時間に限りがあるからこそ、その時間がすごく大事に思えたり、愛おしく思えたりするような気がします。これが12時間ぐらい一緒にいるとなると、またちょっと話が変わってくる。もうそろそろ1人の時間が欲しいな、みたいな感じになっていくものかも(笑)。だけど50分という時間しかないからこそ、1日のほんの少しの時間、1人で相手のことを想う時間が互いに本当に多くなる。菜帆は1人で晴流のことを想って料理を作っているし、晴流は晴流で、ああでもないこうでもないとAIとしゃべっていたりする。でもそれって、やっぱり50分しか会えないからこそ、1人の時に相手を想う時間がすごく大切になっているのかなと思います。
――伊野尾さんだったら、気になる人と距離を縮めるために50分を過ごすとしたら、どういうふうにしますか?
今回でいうと、食事って意外といいんだなと感じました。

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