同映画は、86の国と地域からエントリーされた作品の中から、米国アカデミー会員による予備投票を経て、国際長編映画賞では15本、メイクアップ&ヘアスタイリング賞では10本の候補作のひとつに名を連ねた。
国際長編映画賞へのノミネートはかなわなかったが、メイクアップ&ヘアスタイリング賞へのノミネートに向けては、ヘアメイクチームが渡米し、ロサンゼルスで開催されたアカデミー協会公式プレゼンテーションイベント「Bake Off」(ベイクオフ)に参加。歌舞伎における白塗りメイクや鬘(かつら)の歴史、そして登場人物の50年にわたる人生の変遷をどう表現したのかをプレゼンテーションし、現地の映画関係者から大きな反響を得たという。
なお、同部門では過去に、日本出身のメイクアップアーティストであるカズ・ヒロ氏が『ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男』(2018年)、『スキャンダル』(20年)で受賞しているが、日本映画としてのノミネートは今回が初となる。
李監督は今回のノミネートについて、「この映画は、当初の予想を遥かに超えてたくましく育った。その美しさは、アメリカをはじめ世界の人々までを魅了し、我々に大いなる驚きと喜びを与えてくれた。中でもオスカーのノミネートは格別で、最上の喜びだ。なんて親孝行な子なんだろう。生まれてくれてありがとう」と喜びを語った。
ヘアメイクチームの豊川京子氏(ヘアメイク)&日比野直美氏(歌舞伎メイク)&西松忠氏(歌舞伎床山)は連名で次のようにコメントを寄せた。
「アメリカのアカデミー賞にノミネートされた事は本当に喜ばしい限りです。
本作は、吉田修一による同名小説が原作。歌舞伎役者の家に引き取られた少年が、芸の世界に身を投じ、人生のすべてを舞台に捧げていく――主人公・喜久雄の50年を描いた、壮大な一代記。
主演の吉沢亮、共演の横浜流星に加え、黒川想矢、越山敬達、田中泯、渡辺謙らが吹き替えやCGに頼らず演じ切った歌舞伎シーンの圧倒的な完成度と迫真性は、公開直後から大きな話題を呼んだ。
今年6月6日に公開されて以降、口コミと高い評価を追い風にロングランヒットを継続。興行通信社調べによる興行収入ランキングでは、邦画実写作品として、『踊る大捜査線 THE MOVIE 2 レインボーブリッジを封鎖せよ!』(2003年、興収173.5億円)を上回り、22年ぶりに記録を更新する快挙を達成。今年1月18日までの227日間で観客動員1370万人、興行収入193億円を突破している。
なお、「第98回アカデミー賞」授賞式は、3月15日(現地時間)に、米ロサンゼルスのドルビー・シアターで開催され、ABCにて全米生中継されるほか、世界200以上の国と地域で放送される予定。
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