『東島丹三郎は仮面ライダーになりたい』は、40歳になっても本気で「仮面ライダー」になろうとしていた主人公の東島丹三郎(とうじまたんざぶろう)が、その夢を諦めかけた時、世間を騒がす「偽ショッカー」強盗事件に巻き込まれるストーリー。「仮面ライダー」を愛しすぎる大人たちによる“本気の仮面ライダーごっこ”が描かれている。
――原作を読んだ感想をお聞かせください
最初に読んだときに、「これは単なる特撮オマージュではなく、“なりたい自分”への純粋な憧れを描いた物語だな」と感じました。以前から柴田ヨクサルさんの『エアマスター』のマニアでもあったので、ヨクサル作品特有の肉体性や泥臭さ、不器用なまでの熱量がそのまま詰まっている点に強く惹かれました。東島丹三郎の真っ直ぐさや弱さがとても人間的で、笑える部分もありつつ、自然と胸が熱くなる作品だと思いました。
――オープニング主題歌「Wanna be」についてお聞かせください。
「Wanna be」は、“なりたい自分を諦めない衝動”をそのまま音にした楽曲です。完璧じゃなくても、不格好でも、「それでもなりたい」と願い続けるエネルギーを、スピード感と高揚感で表現しました。毎話の冒頭で一気にスイッチが入るような、ヒーロー前夜の疾走感を意識しています。
――松崎しげるさん/TOPHAMHAT-KYOさんのレコーディング収録についてはいかがでしたか
松崎しげるさんは、声が鳴った瞬間に空気が一変する方で、言葉一つひとつに圧倒的な説得力がありました。一方、TOPHAMHAT-KYOくんは、現代的でエッジの効いた表現力が印象的で、感情の振り切り方が自由かつ繊細。お二人の個性が交差することで、この作品ならではの強度と奥行きが生まれたと感じています。
――エンディング主題歌「ワンモアタイム」の楽曲制作について
一日の終わりにふと立ち止まる瞬間の気持ちを大切にして作りました。視聴者自身の日常にも重ねられるような、静かな余韻を意識しています。「もう一度だけ、やってみようかな」と思える気持ちをそっと残せたら嬉しいです。
――劇伴音楽の制作について
「特撮的な高揚感」と「人間ドラマとしての温度感」を両立させることを大きなテーマにしました。派手なシーンではヒーロー感を、日常や葛藤の場面では感情の隙間に寄り添う音作りを意識しています。
――印象に残っている楽曲をよろしければ、一つ教えてください。
今回の劇伴の中では、「Let’s Go!! Rider Kick (TeddyLoid Edit)」が特に印象に残っています。仮面ライダーを象徴する名曲テーマを、現代的なEDMのアプローチで再構築するという挑戦でした。原曲へのリスペクトを大切にしつつ、フロアでも通用するエネルギー感やスピード感を意識しています。作品の世界観と、今のダンスミュージックが交差する瞬間を楽しんでもらえたら嬉しいです。
――思い入れのある「仮面ライダー」はいらっしゃいますか?
特定の一人というより、「弱さを抱えたまま立ち上がる存在」であり続けている点に惹かれています。その精神性は今作にも通じるものがあると感じています。
――作品内で好きなキャラクターを1人、よろしければ教えてください。
やはり東島丹三郎です。何度転んでも諦めずに立ち上がる姿がとてもリアルで、「ヒーローになりたい」と願うこと自体がすでにヒーロー的だと感じます。あとは個人的に八極八郎も好きです。理由はシンプルで、八極拳がとにかくカッコいいからです(笑)。登場するだけで空気が変わるのが印象的ですね。
――ファンの皆さまへメッセージをいただければ幸いです。
作品を観て、音楽に耳を傾けてくださりありがとうございます。この作品の楽曲たちは、誰かの“なりたい気持ち”に寄り添えたらという想いで作りました。日常の中で、少しでも背中を押せる瞬間があれば嬉しいです。ぜひ音楽と一緒に『東島丹三郎は仮面ライダーになりたい』を楽しんでください。
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