プレゼンターを務めたのは、昨年『あんのこと』で同賞を受賞した河合優実。ゆっくりとステージに上がった倍賞は、トロフィーを受け取ると「どうしましょう、震えています」と率直な心境を明かし、「戦後80年から81年という節目の時期に、この作品に出演できたことにとても感謝しています」と喜びを語った。
1978年4月6日に初開催された「第1回日本アカデミー賞」で山田洋次監督の『幸福の黄色いハンカチ』が話題を集めたことに触れ、「長い間この仕事を続けてきたのだと改めて感じました。『TOKYOタクシー』で出会ったスタッフの皆さんのおかげで、映画というものをもう一度考え直す機会になりました」としみじみ振り返った。
山田洋次監督にとって91作目となる本作は、倍賞にとって7年ぶり、通算70本目の山田作品への出演。戦後の日本の歩みとともに、時に時代に翻ろうされながら生き抜いた日々を、タクシーの運転手相手に赤裸々に語る老婦人・高野すみれを演じた。
スピーチでは「ここに山田監督と、相方の木村拓哉さんがいないのが少し寂しい」と語り、「タクシーの中のシーンが多く、バックミラーに映る木村さんの目を見るたびに、『なんて大きくて素敵な目なんだろう』と力をいただきました」と笑顔を見せた。
長年出演してきた『男はつらいよ』シリーズにも触れ、「兄の寅さん(渥美清)は細くて小さな目でしたが、その目を思い出しながら演じていました。比べていたわけではありませんが、木村さんの大きな目からたくさんのエネルギーをもらいました。もしどこかで聞いていたら、ありがとうと伝えたいです」と話し、会場を和ませた。
倍賞は「これからも素晴らしい映画と出会い続けていけたら」「これからも精進してまいります」と今後への意欲も語っていた。
今回の日本アカデミー賞は、2025年1月1日から12月31日までに日本国内で公開された作品が対象。
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