2025年に『カフネ』で「第22回本屋大賞」を受賞した作家・阿部暁子による青春小説『どこよりも遠い場所にいる君へ』(集英社オレンジ文庫)がアニメーション映画化。10月9日に公開される。このたび、メインキャストが発表された。

 TikTokを中心に話題を集めている本作は、少年少女の揺れる想いと“ある秘密”が複雑に絡み合う青春ミステリー。物語は、美しい海と自然に囲まれた離島・采岐島を舞台に、ひと夏の出会いを描く。15歳の夏、秘密を抱えて島を訪れた高校生・月ヶ瀬和希が、神秘的な“神隠しの入り江”で記憶を失った少女・七緒と出会うことから物語が動き出す。

 主人公・月ヶ瀬和希役には、ディズニー&ピクサーの名作『リメンバー・ミー』日本版で主人公ミゲル役を務めた石橋陽彩。謎の少女・秋鹿七緒役には『超かぐや姫!』に出演している永瀬アンナ、和希の同級生・尾崎幹也役に『機動戦士Gundam GQuuuuuuX』などで活躍する土屋神葉が名を連ねる。さらに、物語の鍵を握る高津役として玉木宏が出演し、日本のアニメーション作品で初の声優に挑戦する。

 公開された特報映像では、メインキャストの声が初解禁。七緒の「ここは私の知っている采岐島じゃないの」という言葉をきっかけに、穏やかな島に違和感が広がっていく様子や、“神隠し”“マレビト”“1974年”といった謎めいたキーワードが散りばめられ、物語の核心へと観客を誘う内容となっている。

 さらに、「その夏、僕は、神隠しの入り江で、謎の少女と出会った。」というコピーとともに、波打ち際に横たわる七緒を捉えたティザービジュアルも公開。透明感あふれる映像美とともに、切なくも温かな世界観が印象づけられている。

 監督は、繊細な心情描写に定評のある和田純一。脚本は『ストロボ・エッジ』『ジョゼと虎と魚たち』などで知られる桑村さや香が手がける。キャラクターデザイン・総作画監督はイラストレーターのへちまが担当し、アニメーション制作はトムス・エンタテインメントが務める。

 音楽は、伝説的バンド・SUPERCARで活躍した中村弘二が担当。長編アニメーション映画の劇伴に初挑戦し、「風景とエモーショナルな物語が調和する音楽」を目指したという。劇中歌で、シンガーソングライター・とたの参加が発表されている。

■石橋陽彩(月ヶ瀬和希役)のコメント
 原作を読んだときに感じた壮大な世界観とストーリーの面白さに度肝を抜かれ、絶対にこの作品に関わりたいと思っていたので、出演が決まったと聞いたときは胸が熱くなるほど嬉しかったです。
 和希は過去の経験から心を閉ざし、自然と周りに合わせて生きている繊細な男の子です。そんな彼が七緒と出会い、共に時を過ごす中で少しずつ自分の気持ちと向き合い、変わっていきます。彼の葛藤や揺れる想いを、丁寧に大切に演じさせていただきました。
 時空を越えて紡がれていく想いと、人と出会うことの意味を改めて感じられる作品になっていると思います。ストーリーや映像美も含め、ぜひ劇場でこの世界を体感していただけたらうれしいです。

■永瀬アンナ(秋鹿七緒役)のコメント
 この作品と出会ったのは中学生の頃、友人に薦めてもらったことがきっかけでした。初めて読んだときはページをめくる手が止まらず、一晩で読み切ってしまったのを今でもよく覚えています。読み終えたあともしばらく余韻が消えなくて、登場人物たちのことを何度も思い返していました。
 今回、オーディションを受ける際に本作のアニメ映画化を知り、「ぜひ参加したい!」と思い全力で挑ませていただきました。秋鹿七緒役に決まったと聞いたときは本当にうれしかったです。
 触れられそうで触れられない、触れてしまったら壊れてしまいそうな。そんな繊細な距離感の中で描かれる若者たちのきらめきや切なさ、まっすぐな想いに、何度も心を揺さぶられました。
 七緒を演じていて、私自身も改めて、この物語のあたたかさと優しさを感じることができた気がします。ぜひ劇場で『どこきみ』を見届けてください。

■土屋神葉(尾崎幹也役)のコメント
 本作のオーディション原稿を読ませていただいたとき、非常に繊細で、心の奥深くに触れるようなキャラクタードラマを描いている作品だと感じました。
 その世界観に強く惹かれていた分、出演が決まったとご連絡をいただいた瞬間は、本当にうれしかったです。
 アニメーションならではの表現力が加わることで、この物語はより豊かに、そして忘れられない作品になるのではないかと、完成を今からとても楽しみにしています。
 この作品が、皆さまの心にそっと残り続ける一本になれば幸いです。ぜひスクリーンでご覧ください。

■玉木宏(高津役)のコメント
 日本のアニメーション作品に関わることができたらいいな、という思いはあったので、今回オファーをいただけたことはすごくうれしく思いました。僕が演じる高津は、一見冷たく見えるのですが、実は芯にあたたかいものを持った人だと思うので、それをどう声で表現したらいいか意識しながら演じました。

 また、モデルである島根県の隠岐という場所が僕自身の祖父祖母が住んでいた場所で、幼い頃から毎年行っている場所です。日本の原風景やたくさんの自然が詰まった素晴らしい場所、そしてちょっと神秘的なものを感じる場所でもあるので、そこがモデルになるというのはすごくうれしい気持ちです。

 心が洗われるような綺麗な作品です。隠岐をモデルにした素晴らしい景色も含めて、ぜひ大きなスクリーンでご覧ください。

■劇伴担当:中村弘二のコメント
 映画『どこよりも遠い場所にいる君へ』の劇伴を担当させていただきました。長編アニメーション映画の音楽を制作するのは初でしたので、とても嬉しいです。劇中には青い海や静かな木々、嵐やそよ風のような自然を感じる描写が多々ありました。私はそういった背景や風景と、この物語のエモーショナルな部分が調和できるような音楽を目指しました。劇場で感じていただけたら幸いです。

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