同作は、幕末にアメリカへ渡り知識と技術を持ち帰ったジョン万次郎こと中濱万次郎の生涯を描く物語。14歳の漁師の少年が異国の地で生き抜き、日本の近代化にも影響を与えたとされる波乱の人生が軸となる。
中でも関心を集めているのが脚本の藤本である。連続テレビ小説『ちりとてちん』『カムカムエヴリバディ』などを手がけてきた実績を持ち、大河ドラマは2012年『平清盛』以来となる。藤本は「ずっと書いてみたかった人物だった」と明かし、オファー時には自ら題材として提案したほどの思い入れを語っている。「万次郎の人生は夢と冒険にあふれている一方で、挫折や悩み苦しみも大きい。その希有な物語性を自分の手で描きたい」と意欲を示した。
さらに藤本は、「どんな困難な状況でも自分で進む道を選び取ることがどれほど大事か感じる」と語り、現代にも通じるテーマを強調。若い世代に向けても「今の時代こそ知ってほしい」とメッセージを送っている。この発言がSNS上で拡散され、「テーマが現代的」「藤本脚本なら期待できる」といった反応が広がった。
制作統括の家冨未央も、分断が進む現代社会との接点を意識し、「異なる背景を持つ人々と関わりながら道を切り開いた人物」と万次郎を位置付ける。
主演の山崎についても、「純粋で鮮明な感受性」が万次郎像と重なると評価されており、実際にゆかりの地を訪れた際の姿勢も制作陣の信頼を高めたという。山崎自身も「知れば知るほど魅力的な人物」と語り、1年をかけた役作りに意欲を見せている。
19世紀の日米を舞台にした壮大な物語でありながら、その核心にあるのは「異なる他者とどう向き合うか」という普遍的な問いである。藤本が長年描きたいと願った題材が現代にどのようなメッセージとして立ち上がるのか。発表段階から脚本家に視線が集まる状況は、『ジョン万』への期待の高さを示している。

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