俳優の奈緒が、2027年1月1日公開の韓国映画『コロニー/群体』で日本語吹替に初挑戦した。チョン・ジヒョンが演じるクォン・セジョンの声を担当し、「初めて挑戦した日本語吹替がこの『コロニー/群体』という作品で、本当に幸せです」と語った。

 奈緒が吹替収録を振り返ったのは、11月4日に東京・丸の内ピカデリー2で行われた「第39回東京国際映画祭」のクロージング上映。来日したヨン・サンホ監督、出演のク・ギョファン、プロデューサーのヤン・ユミン、日本語吹替版でク・ギョファン演じるソ・ヨンチョル役を担当する声優の梶裕貴とともに、日本初上映を前に舞台あいさつに立った。

 本作は、『新感染 ファイナル・エクスプレス』のヨン・サンホ監督が手がけるサバイバルスリラー。舞台は、謎の感染が広がり、完全に封鎖された超高層ビル。外への逃げ道を断たれたセジョンらに、猛烈な速さで増えていく感染者たちが襲いかかる。

 感染者たちは、人間を襲いながら互いに情報を共有し、集団で学習する。個々が得た情報を群れ全体が取り込み、進化を続けるのだ。生存者たちは、時間が経つほど手ごわくなる相手を前に、閉ざされたビルの中で生き延びるすべを探る。

 『猟奇的な彼女』(2001年)などで知られるチョン・ジヒョンが11年ぶりにスクリーンに復帰した本作は、韓国の週末興行ランキングで4週連続1位を記録。韓国最高峰の「第47回青龍映画賞」では、作品賞を含む計6部門にノミネートされている。ヨン・サンホが監督賞、ク・ギョファンが助演男優賞、キム・シンロクが助演女優賞の候補に挙がり、感染者たちの恐怖を生み出す特殊メイク(技術賞)や撮影・照明(賞)も評価を得ている。

 奈緒は、ヨン・サンホ監督と吹替を通じて作品を共にできたことに「不思議な多幸感に包まれておりました」と語り、韓国語でも感謝を伝えた。監督とク・ギョファンが日本語で「ありがとうございます」と頭を下げると、ク・ギョファンは、梶の出演作が韓国で公開される機会があれば、自分が吹替を担当してみたいと応じた。梶も韓国語で「カムサハムニダ」と返した。

 司会者が奈緒の韓国語のメッセージを日本語でも紹介するよう促すと、奈緒は「初めてだったので不安も大きかったんですが、セジョン役のチョン・ジヒョンさんの演技に、すごく勇気をいただきながら、収録させていただきました」と改めて伝えた。

 ヨン・サンホ監督は、自作『顔 -かお-』が日本で特別上映された際、偶然にも奈緒と会って話をしたことがあったと明かした。その後、奈緒が本作の吹替を務めることが決まり、「不思議な縁だなって思います」と振り返った。自身が手がけるNetflix作品は日本語吹替版も観ているといい、本作についても「日本語吹替版を観てみたいなって思います」と話した。

 物語の鍵を握る生物学者ヨンチョルを演じたク・ギョファンは、企画段階であらすじを聞き、「どんな役でもご一緒したい」と思っていたという。脚本が完成した後に出演を打診され、「片思いがかなったような気持ちでした」と回想。ヨン・サンホ監督はヨンチョルを「つかみどころのない、非凡な人物」と表現し、「非凡な俳優が演じるべきだと思い、すぐにク・ギョファンさんにこのキャラクターをオファーしました」と明かした。

 ヨンチョルの声を担当した梶は、感染者たちの素早い動きとは対照的なク・ギョファンの繊細な芝居に注目。「顔の表情の微妙な動き、息遣いまで注目いただけると、ヨンチョルのキャラクター性を感じられると思う」と呼びかけた。監督に会う前日には、大阪へ向かう新幹線の車内で、列車を舞台にした『新感染 ファイナル・エクスプレス』を観たそうで、「臨場感がすごかったので、おすすめです」と客席を沸かせた。

 日本語吹替版には、奈緒、梶のほか、江口拓也、早見沙織、七海ひろき、関智一らが参加する。封鎖されたビルで未知の脅威に直面する人々のうち、チェ・ヒョンソク役を『SPY×FAMILY』のロイド・フォージャー役で知られる江口、コン・ソリ役を『鬼滅の刃』の胡蝶しのぶ役で知られる早見が担当。チェ・ヒョニ役は元宝塚歌劇団男役スターで『マッシュル-MASHLE-』にも出演する七海、イ・ボンソク役は『ドラえもん』の骨川スネ夫役を務める関が演じる。落合福嗣、水島裕も吹替キャストに名を連ねる。

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