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 デジタルな表現である「ドット絵(ピクセルアート)」を、日本古来のアナログ技法「水墨画」で表現。時空を超えた異色の組み合わせによる「ぴくせる水墨画」が、Xで注目を集めています。


 投稿された画像には、掛け軸に仕立てられた作品などが写っていますが、そこに描かれているのは山水画でも虎でもなく、愛らしいドット絵のキャラクターたち。デジタルとアナログが融合した不思議な世界観に「その発想はなかった」といった驚きの声が寄せられています。



 この「ぴくせる水墨画」作品を投稿したのは、ドット絵をこよなく愛するクリエイター・蒼屋敷さん。直近では北千住マルイで開催された「冬休みドット大作戦」に出展を行うなど、精力的に活動を行っています。


その発想はなかった!斬新すぎる水墨画×ドット絵の「ぴくせる水墨画」
ぴくせる水墨画「流転」


その発想はなかった!斬新すぎる水墨画×ドット絵の「ぴくせる水墨画」
ぴくせる水墨画「花」

■ きっかけは「御朱印」

 それにしてもなぜ、水墨画でドット絵を描こうと思ったのでしょうか。蒼屋敷さんに話をうかがうと、意外なきっかけを教えてくれました。


 「アイデアのきっかけは、趣味で集めている『御朱印』です。神主さんが筆と墨で文字を書かれる姿や、筆運びの美しさに惹かれ、以前から御朱印を集めていました」


 自身でもドット絵を打つようになってからは、神社で御朱印をいただいた際にふと「墨でドット絵を描くことはできるのだろうか?」という疑問が浮かんだといいます。しかし、実際に試してみると、墨汁は紙に吸われてすぐににじんでしまい、綺麗な四角いドットとは程遠い仕上がりになってしまったそう。


 そこから試行錯誤の日々が始まりました。いかにして滲みを抑え、整ったドットを描くか。研究を重ねた結果、現在のスタイルである「ぴくせる水墨画」が誕生したのです。

■ 1ミリ単位の調整が生む「四角」

 「ドット」といえば、デジタル上では1ピクセルの狂いもない正方形。これを筆と墨で再現するのは至難の業です。詳しい制作技法は企業秘密とのことですが、下書きにはシャープペンシルと定規を使用し、文字通り「ミリ単位で調整しながら」行っているとのこと。


 「油絵のように離れてみたときと、近づいてみた時の印象が変わるのも魅力だと思っているので、近づいてみたときに違和感を感じないように、正確に塗るように心がけています」と語る蒼屋敷さん。


 その制作は、まさに神経を研ぎ澄ませた職人芸。紙と墨に独自の工夫を凝らし、筆を使って一マス一マス手書きで埋めていく作業は、デジタルの「塗りつぶしツール」にはない温かみと緊張感が同居しています。


その発想はなかった!斬新すぎる水墨画×ドット絵の「ぴくせる水墨画」
ぴくせる水墨画に使用する墨


その発想はなかった!斬新すぎる水墨画×ドット絵の「ぴくせる水墨画」
制作中のようす


その発想はなかった!斬新すぎる水墨画×ドット絵の「ぴくせる水墨画」
ぴくせる水墨画「家守」

■ AI時代だからこそ「アナログ」を

 今後の展望についてうかがうと、「今後は制作した作品を、どんどん物販イベントにて販売や展示をしていきたい」、「昨今AIのイラストや画像が出回っている今だからこそ、アナログで制作したピクセルアートの良さを模索し続けていきたい」と意欲を見せます。


その発想はなかった!斬新すぎる水墨画×ドット絵の「ぴくせる水墨画」
ぴくせる水墨画「たぬき」


 画面上で見る画像も素敵ですが、墨の濃淡や紙の質感など、実物を目の前で見た時の感動はひとしおでしょう。鎌倉時代から伝わる技法で描かれる、最新のピクセルアート。もしイベントなどで見かけた際は、ぜひその目で「手描きドット」の凄みを確認してみてはいかがでしょうか。


<記事化協力>
蒼屋敷さん(@hamahamapixel)


(山口弘剛)

Publisher By おたくま経済新聞 | Edited By 山口 弘剛‌ | 記事元URL https://otakuma.net/archives/2026011203.html
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