「うちの本棚」。今回からしばらく奥友志津子の単行本を紹介していきます。まずは超能力を扱ったSF作品を表題にした『遠い雷鳴の中』です。

 奥友志津子を知ったのがどういう経緯だったのか、とんと記憶がない。少女漫画でSF作品を描いているという印象が強かったのは確かなのだが、なにか作品を読んだというより、いきなり単行本を購入していたような気がする。3冊目の単行本『シルバームーン』というタイトルに惹かれたのだろうか…。 絵は好みのタイプであり、安定した作画レベルでもあったので、それから新刊、古書を問わず見かけたら買うという感じではあったのだが…。

 この『遠い雷鳴の中』は奥友志津子の最初の単行本だと思う。カバー表紙の折り込み部分に書かれた作者のコメントによると、デビュー5年目ということだ。 ラブコメあり、ファンタジーあり、SFありと、奥友志津子を最初に読むにあたって、作者の特徴的な作品を集めているという感じがする。 ならばデビューから最新作までの中から収録作品を選んだのかといえば、『ラブ・アタック大成功』が昭和52年の発表である以外は昭和54年、本書が刊行された年に発表されたものばかりで、いわば最新作品集という趣がある。さらにいえば表題作である『遠い雷鳴の中』は昭和54年の「デジール冬の号」掲載であるから、本書の刊行と初出誌の刊行はほぼ同時期だったといえる。

 『3月はブルースにかこまれて』はテンポのいいコメディ作品なのだが…。 個人的な印象として、ちょっとタイプは違うのだが清原なつのの「花岡ちゃん」と同系統の主人公という感じを受けた。高校2年にして人生を悟っちゃってる感じがなんともいい。