長年愛用してきたパソコンが、最近クッソ重くなったという人は多いだろう。とくに、ストレージにHDDを採用しているパソコンは、起動に何分もかかるうえに動作がもっさりしている。
起動が遅く動作が重いパソコンはHDDをSSDに換装すれば超サクサクになる!
長年パソコンを使用していると、ちょっとした作業をしても動作がクッソ重くてイライラする。そのためWindows 11パソコンに買い替えを考えている人も多いのではないだろうか?
とくにストレージがHDDのパソコンは、起動するのに何分もかかるうえに、起動後の動作もモッサリしている。
だが、古いパソコンの起動時間が遅かったり動作が重いのは、転送速度の遅いHDDを使っていることが原因であることが多い。
そこで今回は、筆者が愛用している古いノートパソコンのHDDを、Windows OSごとSSDにクローン(コピー)したうえで換装してみたので、その方法を紹介しよう。
ちなみに、以前、自作のデスクトップパソコンでHDDをSSDに交換した記事はこちらで確認できるが、
OTONA LIFE | オトナライフパソコンが遅いならHDDを高速SSDに換装しよう!「EaseUS Todo Backup」の使い方https://otona-life.com/2021/01/16/51591/長年使っているパソコンの起動がメチャクチャ遅い。起動後も動作が鈍くてイライラする……。そんなときはパソコンのHDDを高速なSSDに換装しよう。パソコンに詳しくない人にはかなりハードルが高いと思うが、Windows OSが入っているCドライブの移行には「EaseUS T...このとき使用した「EaseUS Todo Backup」はOSのクローン機能が有料版でないと使えなくなっていた。
というわけで、今回はOSをクローンできるフリーアプリがバンドルされているCrucial(クルーシャル)製のSSD(SATA3接続の2.5インチ)を購入することにした。価格は6,500円ほどだ。
筆者愛用のノートパソコンは「VAIO Fit 15 SVF15A 1A1J」。2014年に購入した15.5型の大型ノートパソコンでHDDは500GBだが、起動に1分30秒ほどかかってイライラしていた
今回購入したSSDは「Crucial SSD 500GB MX500(CT500MX500SSD)」。
●Crucial SSD 500GB MX500 SATA3 内蔵2.5インチ 7mm CT500MX500SSD1(Amazon)→こちら
【1】Windows OSを丸ごとSSDにクローンするのに必要なものは?
今回使用する筆者愛用のノートパソコンは「VAIO Fit 15 SVF15A 1A1J」。2014年に購入した15.5型の大型ノートパソコンでHDDは500GBだ。換装用のSSDも基本的に同じ容量のものを購入しよう。
ノートパソコンの場合は、Windows OSの入っているHDD(Cドライブ)を丸ごとクローンするために、内蔵SSDをUSB接続に変換できるアダプタやUSBケースなどを使う必要がある。
筆者は今回、会社に放置されていたSATA-SSD変換アダプタを利用したが、持っていなければ「Transcend 2.5インチSSD/HDDケース(TS0GSJ25S3)」などを別途購入しておこう。
次に、「Crucial SSD 500GB MX500」にバンドルされているアプリ「Acronis True Image for Crucial」を「acronis.com」からダウンロードしてパソコンにインストールしておくこと。これで準備は完了だ。
ちなみに、「Acronis True Image for Crucial」は、パソコンにCrucial製のSSDが接続されると、自動認識して利用許可が下りるようになっており、IDやPASSを入力する必要はない。
Windows OSをSSDにクローンするには、内蔵SSDをUSB接続に変換する装置が必要になる。写真は「Transcend 2.5インチSSD/HDDケース(TS0GSJ25S3)」で、価格は1,700円ほどだ
●Transcend「StoreJet 25S3 USB3.0 アルミニウム製SSD/HDDケースTS0GSJ25S3」(Amazon)→こちら
こちらは、今回筆者使用したメーカー不明のSATA-SSD変換アダプタ。Amazonで探せば似たような製品が2,000円程度で買える。SSD/HDDケースと違い3.5インチHDDなども利用できる汎用性がある
実際にSSDをSATA-SSD変換アダプタにつないでみたところ。
「Acronis True Image for Crucial」をダウンロードしてパソコンにインストールする。Crucialの製品が接続されていれば、アプリを使用することができる
【2】SSDにWindows OSを丸ごとクローンする
パソコンにSSDを接続した状態で、「Acronis True Image for Crucial」を起動すると、案内画面が表示されるので「クローン作成ウィザードを開始」をクリックしよう。
このあとの作業は、基本的に画面に従って操作すれば間違いないが、「クローン作成モード」画面では「自動(推奨)」を選択。
次に、「ソースディスク」がパソコン内蔵の元HDD(インターフェイスはSiria ATA)になっているか、「ターゲットディスク」がUSB接続している新品のSSD(CT500MX500SSD1/インターフェイスはUSB)なのを確認したら「次へ」を押す。
あとは、「クローンの作成方法」を選択して「実行」を押せばいい。Windows OSのクローン作業時間は元HDDのデータ量や機種で異なるが2~4時間程度はかかるだろう。
画面に「ディスクのクローンが正常に作成されました」と表示されたら、パソコンの電源をオフにして、パソコン内部のHDDを取り出し、SSDと入れ替える作業を行う。
なお、新品のSSDはフォーマットされていないが、このクローン作業においては事前にフォーマットする必要はなく、そのまま作業することが可能となっている。
アプリを起動するとこの画面が表示されるので、「クローン作成ウィザードを開始」をクリック
「クローン作成モード」画面では「自動(推奨)」を選択し、画面右下の「次へ」を押す
「ソースディスク」がVAIOの内蔵HDD(Siria ATA)なのを確認して「次へ」を押す(上写真)。次に「ターゲットディスク」がUSB接続のSSD(CT500MX500SSD1)なのを確認すればOKだ(下写真)
「ディスクの使用状況」画面では「このコンピューターのディスクを交換するにはブータブルをOSを含むクローンを作成します」を選択して「次へ」を押す
「選択完了」画面では適用前と適用後の状態を確認して画面右下の「実行」を押せばいい
Windows OSのクローンが始まった。残り時間は5時間近くと表示されたが、実際には表示より早く終了するようだ
【3】実際にパソコン内部のHDDとSSDを交換する
SSDへのWindows OSクローン作業が終わったら、パソコンの電源をオフにして、背面のネジを外してカバーをはがす。このとき、先にDVDドライブを抜いておくと作業がスムーズになる。
次に、マザーボードに取り付けられているHDDを外す。最初にマザーボードに固定されているフレームのネジを外し、その後HDDのフレーム横のネジを外せばいい。
あとは、同じ要領でSSDをフレームに入れてネジ止めしたら、本体に戻せばOKだ。ちなみに、SSDは上から真っすぐ下におろしてから、横にスライドさせてS-ATAコネクタにさすようにしないと、上手く装着できない。
ちなみに、取り出したHDDは非常にデリケートなパーツなので、固い机に乱暴に置いたりしてはいけない。何か柔らかい素材の上にそっと置くようにしよう。
たとえば、OSのクローンに失敗したときは、再度HDDを装着することになるし、上手くいったあとも、万一SSDがクラッシュしたとき、HDDに交換すれば、最悪の事態を回避できるのだ。
VAIOの背面にあるネジをすべて外し、カバーをゆっくり丁寧に開けよう。すると、交換する内蔵HDDが見えるはずだ
まず、HDDをマザーボードに固定しているネジを外し、パソコンから取り出す(左上写真)。次にフレームの横のネジを4本外し(右上写真)、SSDと交換する
SSDを本体に接続するときは、まずSSDを上から下におろし、その後横にスライドさせてS-ATAコネクタにさすこと(上写真)。あとは本体にネジ止めすればOKだ(下写真)
無事HDDからSSDへの換装が終わった! あとはVAIOのカバーを元に戻してパソコンを起動するのみだ
【4】パソコンを起動して動作を確認する
HDDとSSDを入れ替えたら、さっそくパソコンの電源を入れてみよう。ここですんなりOSが起動すればいいが……、「Oh!No!」黒いエラー画面が表示されてしまったではないか!
どうやら、メーカー製パソコンは独自に回復パーティションが作成されており、これを上手くコピーできないことが良くあるらしい。
そこで、「Acronis True Image for Crucial」の「ブータブルメディアビルダー」機能を利用してブートCDを作成し、CDから起動してOSのクローンをやり直すことにした。
もちろん、ブートCDからブート(BOOT・起動)させるには、BIOSを起動してDVDドライブをブートに指定する必要がある。そこで、VAIOの電源を入れて「F2」や「delete」キーなど押すが、BIOSが起動しないのだ。
調べてみると、なんとVAIO本体には「ASSIST」ボタンが装備されており、ここでVAIO Care(レスキューモード)を開くことでBIOSを起動できるそうだ。知らんかった!
しかも、VAIO Careには「USBメモリーやディスクから起動」というモードもあったりするが、結論から言うと、どうしても作成したブートCDで起動することができず、しばし途方に暮れることになったのである。トホホ……。
期待して電源を入れるがエラー画面が表示されてしまった! 原因はいろいろ考えられるが、どうやら回復パーティションが正しくコピーされていなかったようだ
「Acronis True Image for Crucial」の「ブータブルメディアビルダー」を利用して、ブートCDを作成し、クローン作業をやり直すことにしたが……
BIOSを起動してブートをDVDドライブに変更しようとしたが上手くいかない。実は、VAIO本体には「ASSIST」ボタンが装備されており、ここでVAIO Care(レスキューモード)を開くことでBIOSを起動できる
こちらがVAIO独自の「VAIO Care(レスキューモード)」。BIOSもここから起動できるほか、「USBメモリーやディスクから起動」というモードもある
【5】3回目のクローン作業で見事起動に成功!
ブートCDから起動できず困り果てた筆者だったが、ここで諦めるわけにはいかない。気を取り直して他のアプリを使ってOSのクローンを試みるも、途中でエラーとなって完了せず。
「もしかしてSSDが不良品なのか?」などと疑いながら、一旦、SSDをフォーマットし直し、「Acronis True Image for Crucial」を使って3度目のOSクローン作業を行ってみた。
すると、1回目と2回目では4時間程度かかっていた作業が2時間ほどでサクッと終了したのだ。
「本当に大丈夫なのか?」と思いながら、SSDを装着し直してVAIOの電源を入れてみると、「キタッ!」あっけなくWindowsが起動したではないか!
ハッキリした原因は今も分からないが、少なくとも1回目のクローン作業では、SSDのなかのデータが元のHDDとは、回復パーティションの位置やサイズが違っていたのを確認している。
1回目と2回目のクローン作業時間が異常に遅かったのも、そのあたりが原因だったのかもしれない。ともあれ、3回目のクローン作業で、何とかVAIOのHHD→SSD換装作業は無事終了した。
3度目のクローン作業中の写真。原因はよくわらないが、なぜか3度目で普通にWindowsが起動した
メモリも8GB以上にすれば超快適に!
というわけで、さんざん試行錯誤した結果、筆者はVAIOを無事SSD化することに成功した。もちろん動作は驚くほど快適で、これまでとはまったく別もののようである。これなら苦労した甲斐もあったというものだ。
実はSSDへ換装する前に、4GBしかなかったVAIOの物理メモリを8GBに増設している。その方法についてはこちらで確認してほしいが、
OTONA LIFE | オトナライフそのノートパソコン捨てるのちょっと待った! 物理メモリを増設すればまだまだ使えるhttps://otona-life.com/2022/01/19/101192/長年愛用してきたパソコンが、最近クッソ重くなったという人は多いだろう。とくに4GBしかメモリを積んでいないパソコンは、ちょっとした作業でもすぐにメモリ不足に陥って動作が重くなってしまう。そこで今回は、実際に筆者が8年前に購入したパソコンに物理メモリ4GBを追加して、動...やはりSSD換装に合わせてメモリは8GB以上に増設しておきたい。
ちなみに、当初は起動するのに1分30秒ほどかかっていたVAIOだったが、メモリを8GBに増やして55秒ほどに短縮。さらに、SSD化すると約10秒で起動するようになった。
手間はかかったが、メモリとSSDの購入費約8,000円の出費でここまで動作がサクサクになれば、十分ではないだろうか? これで少なくともWindows 10のサポートが終わる2025年まではVAIOを快適に使えそうだ。
●Crucial 「Acronis True Image for Crucial」(公式)→こちら
By OTONA LIFE