食費や電気代など、いままでどおりの生活をしているのに家計は苦しくなる一方…。ここ最近の値上げの嵐に辟易している人も多いだろう。

節約するといっても、食べる量を大幅に減らすことも、寒さ厳しいこの時期に光熱費を大幅に削るのは難しい。そうしたなかで、見直しやすいものの筆頭が「スマホ・携帯電話」ではないか。節約志向に呼応するように業界状況にも変化が起きている。

格安SIM市場は2半期連続プラス

楽天モバイル0円廃止が影響!? 格安SIM市場は2半期連続プ...の画像はこちら >>

今後も成長が見込まれるMVNO市場(「MM総研」調べ)

ICT市場調査コンサルティングのMM総研が国内MVNO市場を調査した結果によると、2022年9月時点で独自サービス型SIMの回線契約数は1284.8万回線となった。これは前年同期比で3.7%の増加であり、2半期連続でのプラス成長だ。背景には、楽天モバイルの0円廃止、IoT向け用途の好調がある。

MVNOとは、自前の基地局を持たない携帯電話事業者を指す。逆に、CMや雑誌などで目にする「格安スマホ」とうたわれ、自前の基地局を有する「MNO」といわれる大手キャリアであるNTTドコモ・KDDI・ソフトバンク(楽天モバイルも含む)と比較すると、各事業者の知名度不足は否めない。しかし、基地局をもたないなど大手キャリアとは異なるネットワークシステムを形成することで、独自の料金プランを設定できることから、「スマホ代は高すぎる!」と叫ばれる業界内において、低価格路線で存在感を発揮している。

楽天モバイル0円廃止が影響!? 格安SIM市場は2半期連続プラス、IIJがシェア1位【MM総研調べ】
 OTONA LIFE | オトナライフ
楽天モバイル0円廃止が影響!? 格安SIM市場は2半期連続プラス、IIJがシェア1位【MM総研調べ】
「MVNO」と「MNO」の違いって何? 格安SIMへの乗り換えで覚えておきたい基礎用語https://otona-life.com/2022/10/28/141663/最近は、大手キャリアに比べ驚くほど月額利用料が安い「格安SIM」やahamo、povo2.0といった「格安プラン」が登場していますが、実際にスマホを乗り換えるときには「MVNO」「MNO」といった謎のカタカナ用語を見かけることがあります。どちらも似たような感じなので混...

携帯キャリアにおける“低価格の雄”としては、楽天モバイルが抜群の知名度を誇っていたが、2022年10月末で「月1GBまでは0円」サービスを終了した影響で成長は鈍化。しっかりとした基盤をもつキャリアであっても、破格のサービスを維持するのは困難であり、安さという要素においてはMVNOの独壇場といっていい。

楽天モバイル0円廃止が影響!? 格安SIM市場は2半期連続プラス、IIJがシェア1位【MM総研調べ】
 OTONA LIFE | オトナライフ
楽天モバイル0円廃止が影響!? 格安SIM市場は2半期連続プラス、IIJがシェア1位【MM総研調べ】
楽天モバイルが10月末で「実質0円終了」でも使い続けたほうがいい4つのメリットとはhttps://otona-life.com/2022/10/28/141855/楽天モバイルは月1GBまでなら0円プランを2022年6月末で廃止。
その後、10月末までは最低料金と同額の1,078ポイントを補填することで実質0円を維持してきました。11月からはその実質0円も終わってしまうため、この先も楽天モバイルを使い続けたほうがいいか悩んでいる...

シェア1位は「IIJmio」と聞いてもピンとこない? 実は、かなりの実力者

楽天モバイル0円廃止が影響!? 格安SIM市場は2半期連続プラス、IIJがシェア1位【MM総研調べ】
SIMの事業者シェア

(「MM総研」調べ)

活況の独自サービス型SIM市場における事業者シェア第1位は「インターネットイニシアティブ(IIJ)」だ。「IIJmio」や「BIC SIM」などモバイルサービスを提供し、20.2%(258.9 万回線)を占める。続いて、NTTレゾナントの14.5%(186.3万回線)、3位にオプテージの9.5%(122.4万回線)。そして4位にはビッグローブの6.7%(86.3万回線)がランクインしている。

とくに、第1位に輝くインターネットイニシアティブは、2021年4月提供開始の料金プラン「ギガプラン」が好調で、上記の0円サービスを廃止した楽天モバイルユーザーの受け皿となったかたちだ。法人分野でも1年で30万に迫る純増を記録し、個人・法人ともに順調に推移した。

楽天モバイル0円廃止が影響!? 格安SIM市場は2半期連続プラス、IIJがシェア1位【MM総研調べ】
 OTONA LIFE | オトナライフ
楽天モバイル0円廃止が影響!? 格安SIM市場は2半期連続プラス、IIJがシェア1位【MM総研調べ】
IIJmio創業30周年キャンペーンが話題! モバイルルータ300円、ギフト券も! - 12月...https://otona-life.com/2022/11/24/145454/インターネット接続サービスや、ネットワーク関連サービスなどを提供しているインターネットイニシアティブ(IIJ)が、2022年12月3日に30周年を迎える。「通信事業者の30周年記念、自分には関係ないや」と、どこか他人事になっている方に、思わず興味が湧いてしまう...

その人気の秘密は安さだけではない。「2022年オリコン顧客満足度®調査」の「格安SIM(SIM単体)」と「格安スマホ(SIM+端末セット)」において、「IIJmio」が満足度総合第1位を受賞。つながりやすさ・コストパフォーマンスといった機能性はもちろん、加入手続き・初期設定のしやすさ・サポートサービスといった顧客本位のサービス面でも最高評価を受けている。

楽天モバイル0円廃止が影響!? 格安SIM市場は2半期連続プラス、IIJがシェア1位【MM総研調べ】
格安SIM・スマホ顧客満足度ランキング

「楽天モバイル0円廃止騒動」の際に利用者が激増したと言われるIIJmioは顧客満足度総合1位に(「オリコン株式会社」調べ)

楽天モバイル0円廃止が影響!? 格安SIM市場は2半期連続プラス、IIJがシェア1位【MM総研調べ】
 OTONA LIFE | オトナライフ
楽天モバイル0円廃止が影響!? 格安SIM市場は2半期連続プラス、IIJがシェア1位【MM総研調べ】
オリコン顧客満足度、携帯キャリア、サブブランド、格安SIM/スマホの1位は?https://otona-life.com/2022/12/05/147127/携帯電話業界の多様化にともない、近年は大手キャリアから格安SIMまで、選択肢が大きく広がった。
そのようなか、大手調査会社の株式会社oricon ME(オリコンエムイー)は12月1日、2022年のオリコン顧客満足度調査ランキングを発表。携帯キャリア、サブブランド、格安...

もはや「安かろう悪かろう」では生き残れないMVNOの世界。すべての質を高水準に整備しているからこその活況といえる。通信インフラの質を下げることなく、家計のゆとりを生み出したい人は、こうしたニッチな領域に目を向けてみてはいかがだろうか。

出典元:独自サービス型SIM市場は2半期連続のプラス成⻑に【MM総研
出典元:おすすめの格安SIMランキング・比較【オリコン顧客満足度調査

※サムネイル画像(Image:DenPhotos / Shutterstock.com)※画像は一部編集部で加工しています

By OTONA LIFE
編集部おすすめ