421円という数字は、外食をすることを考えると安いけれど、これは材料から作る場合だ。帝国データバンク(東京)が、食卓への影響度を示す「カレーライス物価指数」を独自に試算して発表、2025年3月のカレー物価は421円で、12カ月連続で最高値を更新した。
「カレーライス物価」は、カレーライスで使用する原材料や、調理にかかる水道光熱費などを独自に試算した指数。各種価格データは「小売物価統計調査(総務省)」のうち各都市平均値(全国平均)を参照した。原材料はニンジン、ジャガイモ、タマネギ、牛肉(輸入)、コメ(コシヒカリ、1食約1合)、カレールー(市販)、食用油。
2024年度平均のカレーライス物価は、1食あたり365円で前年度(309円)を56円上回り、比較可能な2015年度以降で最高値を更新。費用の内訳をみると、最も高いのが全体の半分を占めるカレー具材(肉・野菜)で、206円(前年度190円、+16円)。猛暑による生育不良などを背景に、年間を通して平年より野菜価格が高騰したほか、輸入牛肉も円安による影響で高値が続き、過去10年ではじめて200円を超えた。
ごはん(米)の価格は131円(同90円、+41円)で、24年夏以降品薄が深刻となったコメの価格高騰が影響し、各費用の中で値上がり幅が最大となった。カレールーは25円(同24円、+1円)で、食用油やルー本体価格の値上がりなどが影響。炊飯器での炊飯やガス調理などの「水道光熱費」(4円)は、政府による電気・ガス代補助により価格が抑制されたことで、前年度からの変動はなかった。
そして2025年3月のカレーライス物価は1食あたり421円で、前月(407円)から+14円、1年前の24年3月(318円)からは+103円上昇。やはり米の値上がりや、少雨や低温などの影響でジャガイモやニンジンも値上がりし、カレー具材が過去10年で初めて210円を超え、最高値を更新したことが影響したという。