文化財の展示を見るのはもちろん面白いけれど、ふつうは「触る」ことはできない。ケースの外側から、もしくはロープのこちら側から子細に眺めてみるのが精いっぱいだ。
博物館や美術館でためらいなく「さわる」ことのできるものの多くは、忠実に再現した文化財レプリカ。素材などは異なる場合があるけれど、「さわる」と実物を体感することができる。そこでこの企画展では、「『さわる』こととは何だろう?」をテーマに、「さわる」の歴史についても掘り下げる。奈良の長い歴史の中で培われた数多くの文化財の精巧なレプリカを「さわる」と同時に、さまざまな場面で描かれる「さわる」、信仰の場面における「さわる」体験などを紹介する。