夏らしい水の生きものたち。陶芸作品だけれど、今にも動き出しそうな精巧でリアルな姿だ。
岡村さんの作品は鋭い観察眼でリアルを徹底追求して表現されており、たとえば、「陶自在星屑蟹」は、西洋のビスクドールの技法を参考に自在に動くように作られている。関節部分にシリコーンゴムを用いることで高い可動性を実現させ、今にも動き出しそうなリアルな存在感がある。陶芸を始めた当初は、「動かない」生き物を作っていた岡村さん。陶器の割れやすさを解決するべくパーツを分けることを考えつき、やがて、動かすようにしたいと思い陶製の自在置物を作るようになったという。