21世紀の東京五輪や大阪・関西万博を見ながら、20世紀のそれと比べるのは面白い。“あの頃”に思い描いた未来や感動した新しいものが、半世紀を経てどんな風に実現したり変化したりしたのか。
『子供の科学完全読本』の続編。前作は大正から終戦までだったが、今回は主に高度経済成長期が舞台。著者が膨大なバックナンバーを読み直しながら、今につながる科学技術史をひもとく。誌面は朝鮮戦争からスタート。冷戦や宇宙開発競争が前半の主役だ。特に、ソ連が人工衛星の打ち上げに成功した当時の記事は必読。たった一個の衛星に大騒ぎする様子、現代のスマホ含め多くのテクノロジーの出発点が分かる記事だ。
東海道新幹線の開通については、豊富な図解で何度も特集されている。当時の読者の大きな期待と、「次はリニアだ!」「時速500km!」という技術の解説と未来予測。電気自動車や自動運転の記事もある。一方で、通信の発達で大人は「週休三日」になるという記事も。
対談企画では、「日本のインターネットの父」、工学博士の村井純氏とはネット黎明(れいめい)期を、サイボウズの社長の青野慶久氏とはコンピュータ登場の衝撃を語り合う。両氏も共に『子供の科学』の熱心な読者だったのだそうだ。