戦後80年。日本で戦争を実体験として知る人は少なくなり、子どもたちに戦争と平和を語る側も、頼りは本だ。

講談社(東京)が運営する子育てと読書のwebメディア「コクリコ」は、「子どもたちに戦争と平和を伝える本」特設サイトをオープンした。「戦争と平和」をテーマにした児童書を集めて紹介している。

 「広島・長崎」をテーマとした本は、『光のうつしえ 廣島 ヒロシマ 広島』(朽木祥著)などのほか5作品。原爆が投下された当時の広島・長崎と、そこで生き、亡くなっていった人たちのことを伝える物語を紹介する。「沖縄」に関する本は、『ひめゆり学徒だった山内祐子さんが沖縄の高校生に伝えたこと』(渡辺考著)など3作品。沖縄戦による甚大な被害の実態を伝える作品や、懸命に戦った女子学徒隊「ひめゆり学徒隊」の物語が並ぶ。

 「戦争と子ども・動物」のテーマでは、『東京大空襲を忘れない』(瀧井宏臣著)など6作品。東京大空襲を生き延びた子どもや、戦災孤児の物語、戦時中の動物たちや建造物の物語を紹介している。

 「現代から伝える戦争と平和」では、『せんそうしない』(谷川俊太郎著)など10作品。戦争とは何か、平和とは何かについて、詩の絵本や小説、漫画、戦争体験者や著名人による証言をもとにしたノンフィクションなど、さまざまな視点から読める本が紹介されている。 

 ほかにも、「日本国憲法・第九条」や、「世界の戦争と平和」について考えることができる本をピックアップ。また、「窓ぎわのトットちゃん」や「かこさとしさんが伝える戦争」、そして「ムーミン」シリーズなどの名作と、その背景にある戦争と平和についても解説している。

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