放送中のNHK大河ドラマ「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~」の主人公は、江戸時代のメディア王、出版王として名をはせた蔦屋重三郎。歌麿、写楽ら多くの浮世絵師を活躍させた人物だ。

大河ドラマを見て浮世絵に興味を持った人も多いはず。その分かりやすい入門書『めちゃくちゃわかるよ! 浮世絵大図鑑』(大和書房)が8月7日(木)に発売される。

 著者は、浮世絵研究の第一人者で美術関連のテレビ番組の監修も多く務める國學院大學の藤澤紫教授。艶やかな女性のしぐさを描いた美人画、役者の演技を劇的に捉えた役者絵、歴史や伝説上の英雄を描いた武者絵、各地の名所を描いた風景画など、浮世絵で描かれる主題は多岐にわたり、庶民の生活に彩りを添えた。それだけでなく、モネやゴッホら海外の画家たちも魅了し、その作風に多大な影響を与えている。そんな浮世絵の教養として知っておきたい基本や歴史から、絵師ごとの作風・鑑賞ポイントまで、すごさや魅力を藤澤先生が徹底解説してくれる。

 本書に登場するのは、男女の恋を情緒豊かに描いた春信、美人画を描き一世を風靡(ふうび)した歌麿、劇的な役者絵で人気を博した写楽、世界に知られる富士を描いた北斎、四季折々の風景を描き続けた広重、大迫力の武者や妖怪を描いた国芳、現代の漫画にも影響を与えた芳年らによる、世界中で愛される代表作ばかり。しかも手に取りやすい文庫版サイズのオールカラーなので、パラパラと眺めるだけでも知識が深まる。その上、へぇ!と驚く豆知識も満載だ。計256ページで税込み1320円。後半に突入する大河ドラマをより楽しむためにも、チェックして損はない。

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