万博に出現した、高さ5メートルの巨大な“太もも”オブジェ。最高時速70キロを誇る競輪選手の脚力の象徴である下半身をモチーフにしたものだ。

 8月8日、大阪・関西万博ギャラリーWESTで、「ふとももEXPO~FUTOMOMOoooooooo~」のオープニングセレモニーが開催された。公益財団法人JKA会長の木戸寛氏、日本競輪選手会の真杉匠選手、日本国際博覧会協会事務総長の石毛博行氏らがテープカットを行い、スタートを飾った。

 競輪は日本の公営競技として、全国の地方自治体が主催し、JKAが競技運営を統括する。その売上の一部は、福祉や公共事業、スポーツ振興、科学技術研究助成など、公益目的に活用されている。

 こうした競輪の役割は、万博や国体など国民的行事とも深く結びついてきた。今回の大阪・関西万博でも、EXPOアリーナ(Matsuri)やEXPOホール(シャインハット)での催しや夜のドローンショーなど、随所で競輪の協賛によるコンテンツが展開されている。石毛事務総長は開幕式で、「これまで1500万人を超える来場者に万博の魅力を届けることができたのは、JKAとのパートナーシップのおかげ」と感謝の言葉を述べた。

 一方で、競輪は “日本語のまま”五輪で正式種目となった競技の一つで、KEIRINと表記される。迫力あるスピード感や駆け引きが魅力で、五輪やUCI自転車世界選手権では観客の盛り上がりが大きく、大会終盤や最終日に実施されることも多い。

 JKAの木戸会長は、「自らの力だけで時速70キロという驚異的なスピードを出す。そのパワーの源は、鍛え抜かれた太ももにある」と紹介。現在、日本には約2400人の競輪選手が在籍しており、そのうちわずか9人だけが「S級S班」という最高ランクにつくことができる。

そのS班に所属する真杉匠選手は、9人の中でも若手のエースとして注目されており、「まさに鍛え抜かれた卓越した太ももの持ち主」だ。

 会場では、リアルとバーチャルを融合した体験型展示を実施。バンク(競技場)を走る感覚を体感できるシアターや競輪選手と対戦できるマシンなど、競輪のスピード感や身体能力を直感的に味わえる。

 真杉選手は太ももオブジェについて、「近くで見るとデカい。ふくらはぎの感じがリアル。ここで(競輪に)触れて、ぜひ競輪場にも足を運んでほしい」と呼びかけた。

 JKAの木戸会長は、「大阪万博には158の国と地域が参加し、海外から350万人の来場者が見込まれている。日本の皆様はもちろん、海外のお客様にも、日本で生まれた世界のスポーツ、競輪を楽しんでいただければ」と期待を寄せた。

 「ふとももEXPO」は8月29日まで。ぜひ会場で、太ももを体感してみて。

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