大学ゴルフで国内唯一の国際大会、第2回パンパシフィック大学スーパーリーグbyNIGITA(静岡県三島市のグランフィールズCC)は5日終了。団体戦は地元日大がアベック優勝を果たし、男女混合の個人戦は田村軍馬選手(東北福祉大)が勝った。

 団体は男女各12チーム、個人は男子62人、女子65人の計127人がエントリー。選手は外国選手との競技や交流で経験の幅を広げた。大会関係者は、さらに規模を膨らませた大学ゴルフのワールドカップ(W杯)開催を目標に掲げている。

 この大会は、世界レベルの選手の育成と国際交流を目的として、国内強豪校が中心となって立ち上げられた。日本ゴルフ協会のナショナルチームに選ばれない学生でも、日本で外国選手と戦う機会をつくることを狙いの一つとしている。

 日大ゴルフ部監督で全日本大学スーパーリーグの理事長でもある和田光司氏は「国際大会も経験しないで、いきなり海外に出ても活躍はできないだろう。外国の友人をつくったり、国際社会の文化やルールを学んで視野を広げるチャンスをつくることも大事。それはゴルフだけではなく、実社会に出ても役に立つことだ」と意義を強調した。

 個人戦チャンピオンの田村選手は「外国選手のプレーのリズムやアドレスの取り方、力の使い方が参考になった」と言う。選手、学生ボランティアを含む関係者には小型のAI翻訳機「ポケトーク」が貸与された。最新のツールによって多言語によるコミュニケーションを円滑にしたことも、情報交換や親善に結びついた。

 来年以降も大会規模や内容を充実させ、次のステージは大学世界一を決める大会の開催。

和田理事長は「2029年には米国でW杯を実現しようと、それを目標に動いている」と具体的な計画を明かした。

 今回、全米ゴルフコーチ協会(GCAA)とW杯創設に向けて、歩調を合わせることを確認できたことも大きい。GCAAの事務局トップのダスティン・ロバーツ氏は「スーパーリーグとGCAAは同じビジョンをもっている。学生ゴルフの世界ナンバーワンを決める大会をつくりたいという和田氏と、同じ方向を向いてサポートしたい」と力強く語った。

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