10月10日は、ポテトサラダの日なのだという。この記念日は、北海道産ジャガイモの収穫時期が10月であることや、ポテト(PoTaTo)の「TaTo」が「1010」に似ていることから、キユーピー(東京)のグループであるデリア食品(東京)が制定したのだとか。

そして、このほど両社はポテトサラダの地域性に関する研究を行い、地域ごとに風味に差があることを確認。この成果について、8月30日、31日に開催された日本調理科学会2025年度大会でポスター発表した。

 この研究では、地域別にポテトサラダの風味の傾向を比較し、各地の食事の嗜好性と関連が見られるかを調査。全国6つの地域(北海道、東北、首都圏、中部、関西、九州)の量販店で販売されているポテトサラダを分析した。

 具体的には、日本各地で販売されているポテトサラダ計60品(各10品×上記6地域)について風味の分析を行い、分析データを基にしたポテトサラダの風味傾向と食事の嗜好(しこう)性との関連性を地方別に分けた。

北海道:全体的に味の強度が強い。食事の嗜好性とも合致する傾向。

東北:酸味が低いのが特徴。調味料主体の味付けでうま味を強めることにより酸味強度が低くなったと推察。

首都圏:塩味・うま味が強い。合わせ調味料の消費が多く、塩味の強い食事の嗜好性と合致する傾向。

中部:うま味・酸味がやや強く、塩味が低い。

食塩の消費量は少なくマヨネーズの消費量は多いことが、酸味が強く塩味が低い要因と推察。

関西:塩味以外は全体的に味の強度が低い。だしや薄口しょうゆのやさしい味付けの嗜好性と合致する傾向。

九州:酸味が強く、甘みが低い。甘みが好まれる食事の嗜好性と関連が低い傾向。

 これらの結果から、全国6地域の量販店で販売されているポテトサラダは地域ごとに風味の傾向があることがうかがえる。今回の研究では、各地域固有の食文化の背景にある、気候や歴史、特産物などが、日々の食卓の味を形作り、ポテトサラダにも反映されている可能性が考えられると分析している。

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