希望の旅先の中で優先順位をつけるとすれば、体力があるうちに行っておきたい場所の一つがペルーのマチュピチュだろう。長い時間歩くうえに標高も高い。

でもこの天空の遺跡訪問は多くの人のバケットリスト(死ぬまでにやりたいことリスト)に入っているのではないだろうか。最近、JICA(国際協力機構・東京)がペルー文化省などと実施した調査で、新しい遺跡も発見されている。文字で伝わらなかったアンデス文明と、密林に阻まれた謎をめぐる旅は、さらに面白くなりそうだ。

 JICAが実施した調査では、マチュピチュ遺跡の北東部に広がる大規模段々畑群「アンデネスオリエンタレス」で、木々に覆われて視認できなかった全体像を初めて把握することに成功した。遺跡北側の未調査エリアの月の神殿付近では、L字型の壁状構造(高さ約2.7メートル)や線対称の三段の段々畑、加工の可能性がある直方体の石材など、複数の特徴的な遺構候補が新たに確認されている。これらは、日本の高精度3D測量技術(UAV-LiDAR)を活用、その高密度点群データから森林部分の木々などの不要データを除去し、段々畑全体の規模や隣接する段々畑とつながる位置を確認することで可能になったという。

 日本とペルーの間には長年の交流がある。マチュピチュ村の初代村長(1948~1950年)は日系移民の野内与吉氏。福島県大玉村の出身で、水道や電力整備、ホテル建設など村の基盤づくりに大きく貢献した。その功績は現在もペルーで高く評価されており、大玉村とマチュピチュ村は2015年に友好都市協定を締結している。

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