国税庁は4月1日に、企業が従業員へ支給する食事補助の「非課税上限額」を月額3500円から7500円へと引き上げる通達改正を施行した。1984年以来、実に42年ぶりの大幅な見直しとなる。
これまでの非課税限度額は月3500円、1食あたりに換算すると約175円に過ぎず、外食・中食価格の上昇が続く中で「実態に合わない」との指摘が強かった。こうした状況を受け、同会は制度改正を求める活動を継続。2025年の「骨太の方針」や税制改正大綱に見直しが盛り込まれ、今回の通達改正につながった。
非課税枠の拡大は、企業にとっても従業員にとってもメリットが大きい。上限が7500円となることで、企業は最大1万5000円の食事補助を支給でき、そのうち7500円が非課税扱いとなる。従業員負担は半額以上が条件だが、1食あたり750円のランチを375円で利用できる計算となり、日々の食費負担を大きく軽減できる。
さらに、賃上げと比較した際の「手取り額の差」も注目点だ。例えば年間9万円を賃上げとして現金で受け取った場合、年収700万円のケースでは税負担により手取りは約5万7000円に減少する。一方、非課税の食事補助として受け取れば約7万8000円の手取りとなり、実質的な可処分所得の向上につながる。物価高が続く中、生活支援策としての効果は大きい。
企業側にとっても、従業員満足度の向上や離職率の低下、採用力の強化といった人的資本投資の観点で追い風となる。
エデンレッドジャパンの天野社長は「制度改正が議論段階から実務フェーズへ移行したことは大きな節目。食事補助は働く人の食を支えると同時に、企業の人的資本投資として重要性が増す」とコメント。今後も制度の正しい理解と運用を支援し、関係機関との連携を強化していく方針を示した。
制度改正の施行により、食事補助制度はより実用的で効果的な福利厚生として再評価される局面を迎えている。働く人の生活を支える新たなスタンダードとして、より多くの企業に導入の検討が望まれる。











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