人類滅亡までの残り時間を象徴的にあらわした「終末時計」。真夜中の0時=人類滅亡の瞬間と仮定して、世界がそれにどれだけ近づいているかを示しています。


地球上のどこかには、人類滅亡のときに備えた「ノアの箱舟」のような施設があったりするのでしょうか。今回ご紹介するのは、そんな「もしも」を描いたお話。

毎週金曜は各配信サイトで観られるオススメ作品を紹介する日。

今週もよく頑張った……週末はおうちでゴロゴロしながら、Netflixドラマ『ビリオネアズ・シェルター』を観て、カウチポテトになっちゃお~!

【あらすじ】
幼なじみのアンネと恋に落ちた御曹司・マックス。しかしその幸せは長くは続かず、自らが運転していた自動車事故でアンネを死なせてしまいます。

最愛の人を失い絶望したマックスは、過失致死罪で刑務所へ収監。それから3年後───マックスを迎えに来た父が「世界情勢が緊迫しているから地下シェルターに避難しよう」と提案するのです。

湖の底にある地下シェルター「キメラ地下公園」は、選ばれし富裕層のみが入居できる特別な施設でした。マックスはそこでアンネの家族と対面することに……。

入居からしばらくして外の世界では大惨事が起こります。なんと核戦争が勃発し、地下の住人たちはシェルターから出られなくなってしまうのです。

【ココが見どころ!】

<その1:第1話のラストで待つ衝撃>
大金を出資した者だけが入居できる「キメラ地下公園」。
地下とはいえ広さは十分にあり、ホスピタリティも万全。1人につき1部屋が用意されているし、健康状態を管理できる特殊なスーツだってもらえます。

けれどマックスは思うのです。「ここはまるで、かつて自分がいた刑務所のようだ」と。

マックスだけが感じていたこのかすかな違和感は、やがて確信へと変わります。第1話のラストシーンで待っている衝撃たるや……きっとあなたも目を丸くするはず。

<その2:ペーパーハウスが好きならきっと好き>
本作を手がけているのは大ヒット作『ペーパーハウス』の製作陣。そのため、世界観がどことなくペーパーハウスっぽいと言いますか、あの作品に通ずるエッセンスを随所に感じることができるんですよ。

濃厚すぎる人間ドラマも、そのひとつ。

地下シェルターという閉鎖的な空間に閉じ込められているせいなのか、それとも世界が滅亡しかけているせいなのか、登場人物たちの本性がどんどんあらわになってくるの。それはときに、目をそむけたくなるほど醜悪だったりするわけで。

そしてペーパーハウスといえば「強盗団がスペイン史上最大の銀行強盗をおこなう」ことでおなじみですが、実は本作のストーリーもこれにかぎりなく近いです。
どういうことか知りたければ本編をご覧になってみて。

<その3:息をのむ結末>
1話あたり45分~70分×全8話で構成されている本作。各話ごとにさまざまな人物に焦点があたるいっぽう、すべてのエピソードで描かれるのは「マックスのブレない疑念」。

「ここはまるで、かつて自分がいた刑務所のようだ」と感じていたマックスは、最終話でシェルターから脱出することを決意するのです。

協力者による手助けのもと、緻密な作戦を立てて脱出を試みるマックス。本当に外へ出られるのか。たとえ出られたとしても、核戦争後の世界でどうやって生き延びるのか。

ハラハラドキドキが止まらない最終話は、本作における最大の山場です。

【これ、続編あるよね?】
これはあくまでも私の予想ですが……おそらく本作には「続き」がある、つまりシーズン2が製作されると思うんですよ。

今後につながるカギとなるのがラストシーン。「このあといったいどうなっちゃうの!?」とボルテージが最高潮に達したとき、驚きの結末が待っているのです。

本作を鑑賞するときは、なるべくまっさらな状態で挑んでください。
どんなお話なのか深掘りしすぎず、今すぐ再生ボタンを押して。

■今回紹介した作品
Netflixドラマ『ビリオネアズ・シェルター』(原題:Billionaires’ Bunker)
2025年9月19日より独占配信中

※カウチポテトとは:ソファや寝椅子でくつろいでポテトチップをかじりながらテレビやビデオを見て過ごすようなライフスタイルのこと。

執筆:田端あんじ (c)Pouch
Photo:Tamara Arranz/NETFLIX © 2024、Carla Oset/NETFLIX © 2024

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