■ビジネスで絶対NGの「3つのヘアスタイル」
いつまで残暑お見舞い申し上げればいいのか――。まだまだ暑い日本列島。毎日定時に出勤するビジネスパーソンの皆さま、お疲れ様です。
ですが、そんなお疲れの様子は職場に持ち込まないようにしたいところ。
今回は、こんなヘアスタイルだと同僚から心配される「ビジネスパーソンがやると一発アウトなヘアスタイル」についてのお話です。
ヘアスタイルがビシッと決まっていれば、取引先へも信頼感を与え、仕事をスムーズに進める起爆剤になるかもしれません。
どうすれば仕事ができそうな印象を与えられるのか、解説します。
まず、男性がビジネスの場において一発でレッドカードをもらってしまう3つのヘアスタイルについて、触れておきましょう。
アウトな事例に触れることで、好印象になる理由も自ずと導かれていきます。
①「寝グセ」が許されるのは、子供のうちだけ
言わずもがなですが「寝グセ頭」はアウトです。寝グセのボサボサ頭は、髪の毛が不規則に散らばって艶感を失い、形も整っているとは言いがたい。
ですから、「寝グセが許されるのは子供のうちだけ」だと考えたほうが良いでしょう。
■「お洒落なスタイル」が逆効果に…
②若手がやりがちな「マッシュスタイル」
メンズでは長らく「韓国風のマッシュスタイル」が流行っています。これ自体はお洒落なスタイルですが、ビジネスパーソンにはオススメできません。
なぜなら、ミステリアスな印象になるから。
顔が隠れて表情が読み取りにくいことから、周囲からは怖がられるキッカケにもなります。加えてマスクもしてたら、印象は最悪。特に若手は、学生の頃からこのスタイルをしていることも多いでしょうから、無意識に取り入れているのではないでしょうか。
③ビジネススーツに「ウルフスタイル」は最悪の相性
こちらも若者に人気が再燃している「ウルフスタイル」ですが、やはりオススメできません。
なぜなら、そもそも長い襟足はビジネススーツには合わないからです。「襟足」が襟にかかると、一発アウトは必至。
オフスタイルではカッコいいヘアスタイルですが、ビジネスの場では良くも悪くも野暮ったく、不潔な印象に直結してしまいます。
■ビジネスで「信用される」見た目とは
では、これらはなぜビジネスシーンで印象が良くないのでしょうか。「寝グセ」には納得できるものの、「マッシュやウルフはお洒落だから好印象では?」と考えている方もいるかもしれません。
この理由について、少し解像度を上げてみましょう。
まず、ビジネスシーンにおける「第一印象」は普遍的な課題です。なぜなら、お客さまや取引先はコチラを疑っているから。
初対面では、この人が善良なビジネスを持ち掛けているのか、騙しにかかっているのかを見極めなければなりません。もちろん、提案された案件は判断材料になりますが、同時に外見も「この人を信用していいのか」を判断する重要な材料になります。
つまり、「いい見た目」は信用につながります。だからこそ、第一印象で「いい人そう」に見えるに越したことはないのです。
行動科学の研究者であるレーナ・スコーグホルム氏によると、「第一印象」で人を見分けることは、原始時代から人間に備わった「生存の機能」なのだそうです。
集落におもむろに入ってきた「見知らぬ人(部外者)」が敵なのか味方なのかを測れないことは、部族の存続に関わる死活問題。
そのため、初対面の人とチグハグなやり取りになってしまうこともまた、人を測るための自然な反応なのです。
つまり、営業回りなどで取引先を訪問する際は「部外者」になることは必至。つまり「いい人そう」な見た目は、相手を安心させる重要な要素なのです。
■「いい人そう」=清潔感がある人のこと
「いい人そう」な見た目には、明確な基準が一つあります。それは、「清潔感」があるかないかです。
前回記事〈女性が男性に求める「清潔感」の正体とは…結婚できない男性ほどかけている「一発アウト」のメガネの形〉でも深掘りしましたが、「清潔感」は衛生面での清潔のみならず、「相手を不快にさせない気配り=見た目のエチケットのこと」なのです。
原始人も「不潔な人=危険」と捉えるでしょう。
また、自分の価値観をゴリ押ししてくる無頼の民には不信感を抱きますが、こちらの礼儀を踏まえた身なりをして訪れた場合、悪く思わないはずです。
それほどまでに、相手の土俵に踏みいる際には「エチケット」が重要な役割を果たします。
■お勧めは「センターパート」か「オールバック」
では、好印象なビジネスパーソンになるためのヘアスタイルとは、どのようなものでしょうか。
私がオススメするのが、「オールバック」か「センターパート」です。
どちらもある程度長さのある髪ですが、これらのヘアスタイルのポイントは3つ。
①「おでこ」と「眉毛」が見える前髪にすること
②2カ月以内にカットすること
③艶のある髪にすること
です。
図表4のような見た目になると、清潔感ある印象が強まります。
①「おでこ」と「眉毛」が見える前髪にすること
顔の中でも「おでこ」と「眉毛」は、見た目の印象を大きく変える部位です。
おでこが隠れていると「幼い」「愛らしい」「アーティスティック」な印象に見えます。対して、おでこが出ると「大人」「精悍」「仕事ができる」ような印象になります。
また、おでこが隠れる前髪は必然的に「眉毛」も隠れやすくなります。「眉毛」は顔の中でも表情が出やすい部分です。隠れていると表情が見えにくく、「暗い」「怖い」印象を助長してしまい、相手に気持ちが伝わりにくくなります。
つまり、眉毛が隠れているだけで「いい人そう」に見えなくなってしまうのです。
これは男女を問わず、眉毛を出す具合によっても印象は変わります。前髪を流したり、隙間から眉毛が見えるようにするだけでも、印象は変化します。
できるビジネスパーソンを演出するには、「おでこ」と「眉毛」が出る前髪を意識するとよいでしょう。
■簡単にキマる「スタイリングの裏ワザ」
②2カ月以内にカットすること
伸びきったヘアスタイルは清潔感が失われ、だらしない印象に直結します。
特に「耳周り」と「襟足」は、その影響が出やすい部分です。
図表6は、「耳周り」と「襟足」だけを長く描き変えています。長さの違いは大体2cmぐらいですが、右側の方が、伸びかけのような、野暮ったい印象に見えるはずです。
先述したウルフスタイルはこの2点を長く強調しているスタイルです。そのため、元々ビジネスシーンとは対照的なスタイルなのです。
最も早い解決策は「ツーブロック」、「刈り上げ」にすることです。ツーブロックは、伸びると野暮ったくなりがちな「耳周り」や「襟足」を短く刈り上げるため、簡単に清潔感のある印象になります。
「刈り上げ」のスタイルが苦手な方は、刈らない長さで整えるだけでも構いません。「耳周り」「襟足」をスッキリさせるだけで、効果は絶大です。
③艶のある髪にすること
「寝グセ頭」がお手入れをしていない様に見えてしまうのは、ボサボサして艶感を失っているからでもあります。裏を返せば、ヘアスタイルは「艶感」を与えるだけで簡単にフォーマルな印象を与えることもできます。
例えばスーツも、シワシワだと印象は最悪です。アイロンをかけてパリッと艶のある状態の方が、清潔感ある身なりになります。
アイロンをかけたスーツが艶々なのは、「面」が整っているからです。「艶」とは、光が反射することです。シワシワだと光は乱反射するため、艶っぽく見えません。
メンズなら「ジェル」で簡単に艶感を演出できます。「オールバック」をビジネスパーソンにオススメする理由は、ジェル1つでスタイリングが簡単にキマるからです。
艶感があるだけで、整った印象を担保することができます。ですから、まずは艶っぽさを意識してみましょう。
今回のポイントを上手に取り入れて、見た目から信頼を勝ち取りましょう。
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操作イトウ(そうさいとう)
美容師
東京・自由が丘を拠点にするアラフォー美容師。「ヘアスタイルはロジックで美しく、カッコよくなる」「ステキな美容師さんに出会ってほしい」をメインテーマにしたブログをnoteにて執筆している。
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